2020/03/15
2020年3月16日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、JO1『PROTOSTAR』が344,299枚を売り上げ、1位を獲得した。また、祭nine.の約7カ月ぶりの6thシングル『てっぺんニューデイズ』が当週86,860枚を売り上げて2位を、Mr.Childrenの実に2年8か月ぶりとなるシングル『Birthday / 君と重ねたモノローグ』が64,698枚を売り上げ3位を獲得した。(集計期間2020年3月2日~2020年3月8日)
『PROTOSTAR』はJO1のデビューシングルで、リード曲の「無限大(INFINITY)」はテレビ朝日系『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?』のエンディングテーマや関西テレビ『千原ジュニアの座王』エンディングテーマで使用されている。また、アルバム扱いのitunesチャートでは日本のみならず、香港・台湾・タイをはじめてとするアジア各国で1位を獲得している。
ここでは集計期間内(2020年3月2日~2020年3月8日)のシングル・セールス・ランキングにおいて上位のアーティストの販売状況をSoundScanJapanのセールスデータを使用し調査してみた。まず、期間内のシングル・セールス・トップ5とそれぞれの販売枚数、及びEコマースを除いた店舗での販売数は下記の通りである。
〇2020年10週シングルセールス上位販売枚数(カッコ内は店舗での販売終了)
1位 JO1『PROTOSTAR』 344,299枚(179,955枚)
2位 祭nine.『てっぺんニューデイズ』 86,860枚(61,984枚)
3位 Mr.Children『Birthday/君と重ねたモノローグ』 64,698枚(39,215枚)
4位 UVERworld『AS ONE』 24,673枚(14,445枚)
5位 sumika『Harmonize e.p』 20,098枚(8,621枚)
そして、上記5タイトルのEコマースと店舗の販売比率をグラフ化したものが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/85814/2)である。また一般的なシングルのEコマースと店舗の販売比率を示すため、集計期間内で販売された全シングルの販売比率を「全シングル」という項目としてグラフに載せている。
5アーティストのうち、最もEコマースの比率が高いのはsumikaで、最も店舗の比率が高いのは祭nine.という結果となったが、JO1はsumikaに次いでEコマース比率が高く、Mr.ChildrenとUVERworldはほぼ全シングルと同等となっている。またバンドであるMr.Children/UVERworld/sumikaについてはキャリアが長ければ長いほど店舗の比率が高くなるという結果となっている。
続いて、各シングルのEコマースを除いた店舗販売について、地域別の販売比率をグラフ化したものが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/85814/3)である。まずJO1であるが全シングルと比較すると近畿地方と九州地方で特に高くなっている。また今回取り上げたアーティストのの中で、関東地方の比率が全シングルより高いのは祭nine.のみであるが、JO1は次いで関東地方の比率が高くなっている。これは発売前のファンミーティングを横浜と大阪で行った事や『PRODUCE 101 JAPAN』でのオーディション上位者に西日本、特に近畿地方出身者が多いためと思われる。
祭nine.については地元である中部地方で圧倒的なシェアを見せている他、関東地方でも全シングルを超える比率となっている。北海道でも今回取り上げた全グループ中トップ、九州でもかなり高い比率となっている一方、甲信越、北陸、近畿、中国、四国では今回挙げた5グループの中で最下位という極端な結果となっている。逆にこれらの地方で人気が広がれば更に飛躍できるだろう。
Mr.Children・UVERworld・sumikaは3グループとも関東地方が全シングルよりも極端に低く、関東・近畿以外の地方は全シングルよりも高いという点で傾向は一致しており(sumikaのみ近畿地方も全シングルより高い)、人口の多くない地方にも人気が行き渡っている事を証明している。その中でもUVERworldは最も関東地方の比率が低く、逆に、東北・甲信越・北陸・中国・四国で5グループの中で最高の販売比率をみせており、地方での強さを見せる結果となっている。Mr.Childrenとsumikaは地域別の傾向が似ているが、Mr.Childrenは九州が、sumikaは近畿がかなり高い販売比率となっている。大都市の大型店舗以外では店舗に在庫を持つためのスペースが限られており、そんな中で人口の少ない地域でもきっちりと売り上げを上げているこれらのバンドの知名度は十分行き渡っているといえるだろう。
奇しくもアイドルやバンド等形態の違いこそあれ男性グループがトップ5を独占したセールスランキングとなったが、それぞれ販路や地域での売れ方に違いがある。満を持してデビューしたJO1をはじめとして、これらのアーティスト達が今後どんな人気の広がりをみせるのか今後も注視したい。
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