2020/02/10 12:00
先ごろ発表された【第62回グラミー賞】で、ビリー・アイリッシュが主要4部門を含む合計5部門を受賞し大きな話題となった。彼女の才能に関しては多くの場で言及されているのでここでは詳しくは書かないが、とにかく18歳という若さでありながらも、カリスマ的存在であることは間違いなく、今回の受賞も当然。そして、この受賞は日本におけるチャートでも大きく影響している。彼女の代表曲である「バッド・ガイ」が、数々の競合がひしめく中、今週のHot100で7位まで上昇(【表1】)。44週目にして初めてトップ10にランクインした。本格的に日本でもブレイクしたといってもいいだろう。
しかし、この曲に関しては今回急にヒットしたというわけではない。2019年の5月にはラジオのオンエア回数では1位を獲得しているし、YouTubeなどの動画やストリーミングの再生数に関しては上位を常にキープしてきた。いわば、大ブレイクの萌芽はすでにあったといえる。その上で今回の受賞に伴い、ダウンロードが急増しているところに注目したい。このことからは、これまでのストリーミングや動画閲覧がメインのグレーユーザーから、音源所有を欲するコアユーザーへと移行したことがわかる。この曲だけでわかりにくければ、Hot Albumsを見るとさらに顕著だ。彼女のデビュー・アルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は今週4位まで上昇しているが、ダウンロードはもちろんフィジカルのCD売上の増加ぶりに驚かされる(【表2】)。
いずれにせよ、彼女にとってグラミー賞はリスナーのパイを広げただけでなく、ストリーミングのみで済ませずにCD購入やダウンロードまで行うファンを味方につけたといえるし、おそらくそういったファンは今後も継続して応援してくれる可能性が高い。その観点で言えば、ビリー・アイリッシュはグラミー受賞によって一過性のブームに終わるのではなく、長く愛されるアーティストへの一歩を踏み出したといえるのかもしれない。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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