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2020/01/19 14:00

映画『アナ雪2』はカラオケが鍵?! 松たか子の主題歌が再浮上なるか

 今週は映画『アナと雪の女王2』の主題歌の動きに注目してみたい。『アナ雪2』は、昨年11月に公開がスタートして大ヒットを記録中だ。年末や冬休みはもちろんのこと、1月中旬になってからもその勢いはまったく衰えていない。興行通信社の調べによると、1月11日、12日の2日間でも公開8週目にしてなお1位。この時点での累計興行収入は約122億、動員総数も1000万人に届こうとしている。

 本作の主題は、松たか子feat.オーロラ「イントゥ・ジ・アンノウン心のままに」であり、今週のHot100では34位となっている(【表1】)。最初のチャートインが11/25付の33位、最高位が12/16付の14位。その後はゆっくりと下降気味ではあるが、それでも先週までは30位以内をキープしていた。しかもこの曲はシングルCDをリリースしていないので、フィジカルのポイントは入っていない。今週の34位も9週目だということを考慮すれば、ロングヒットといってもいいのではないだろうか。しかも、まだまだ粘り強く上位に残る予感がしている。

 もともとこの曲は、当初ツイッターやラジオのオンエアが非常に強かったが、すぐに落ち着いた。その一方でダウンロードやストリーミングのポイントが一定しており、映画と楽曲がしっかりとリンクしていることがよくわかる。動画再生数もストリーミングと同じような推移をしており、映画との相乗効果でこれらのポイントがキープされているのは納得できるだろう。ただ、これだけであれば、映画の公開とともに下降していくのはやむを得ない。しかし面白いことに、年明けのチャートからカラオケのポイントが急上昇しているのだ。1/6付が76位だったのが、先週は53位、今週は43位とついに50位以内に入った。この指数は楽曲が認知されればされるほど上がっていくので、映画のヒットがしばらく続く限りはまだまだ上昇するのではないだろうか。

 前作の主題歌「Let It Goありのままで」は、映画から独り歩きしてロングヒットとなったが、今回もそうなる可能性は大いにある。そのためにはストリーミングや動画再生と同様にカラオケのポイントが重要となるのではないだろうか。もしかしたら、いかにカラオケで歌ってもらえるかを考えることが、このまま下降させずロングヒットにするためのいちばんの近道かもしれない。Text:栗本斉


◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。

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