2020/01/13 12:00
2020年最初のHot100は、NHK紅白歌合戦出演アーティストが上位を占めるという、毎年恒例のチャートとなっている。しかし、いつも上位アーティストを見てわかった気になっているが、実際に紅白は彼らにどのような効果をもたらしたのだろうか。今回はトップ3の楽曲を例に、紅白効果について検証してみたい。
まずは首位のOfficial髭男dism「Pretender」(【表1】)。この曲はもう何週もの間ずっとトップ3に君臨しているので、紅白出演だからといって大きくチャートを上昇するような動きにはつながってはいない。ダウンロードもストリーミングも横ばいであり、絶対数は増えているかもしれないが、相対的には変化が見られなかった。ただ、ツイッターのつぶやき数が急上昇しているのに加え、フィジカルのCDがそれまでずっと圏外だったのに対し、今週は一気に55位まで上昇。同じく、PCによるCD読取数のルックアップも27位から14位にまで上がっている。認知度の徹底に加え、フィジカルが動いたということに関しては、紅白の効果はあったといえるだろう。
続く2位のKing Gnu「白日」も、ヒゲダン同様に相対的にはそれほど大きな変化はない(【表2】)ツイッターのつぶやき数は大幅に上がっているとはいえ、フィジカルのCDが存在していないことや、もともとダウンロードとストリーミングが強力で上位に長期間留まっているということあり、大きな変化は見られなかった。しかし、年末に配信した新曲「Teenager Forever」(15位)も好調だし、Hot Albumsでは『Sympa』(8位)や『Tokyo Rendez-Vous』(19位)などが急上昇を見せているので、「白日」だけではないアーティスト全体への波及効果という意味では非常に意味のある紅白出演だったことは間違いない。
3位の菅田将暉「まちがいさがし」は、他の2組に比べるともっとも変化が見られた楽曲かもしれない(【表3】)。この曲もフィジカルのCDはないが、その分ダウンロード、ストリーミング、動画再生数、カラオケなどほぼすべてのポイントが上昇している。俳優としての知名度も手伝い、上位3組の中ではもっともテレビ・フレンドリーなアーティストであることも有利で、まさに紅白効果が大きく反映された楽曲となった。また、この曲を収めたアルバム『LOVE』も、Hot Albumsで37位から13位にまで急上昇。全体的に大きくプラスとなり、シンガーとしての実力を見せつけることができたといえる。
このように、紅白出演は基本的にプラスではあるが、アーティストによってその効果はまちまちだ。紅白ほど老若男女全国津々浦々にアピールするチャンスは、人気アーティストでもそうそうあるわけではない。この貴重な機会をいかに効果的に活用するかは、個々のアーティストの手腕にかかっている。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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