2019/12/16
12月も半ばになると、すっかりクリスマス・ムード。チャートにもその影響が現れてきている。山下達郎「クリスマス・イブ」やマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」、ワム!「ラスト・クリスマス」などを筆頭に、今年リリースの新曲までが出揃い、Hot100やHot Albumsをクリスマスソングやクリスマスアルバムが賑わせてくれている。
そんな中でも、ここ数年ですっかり新定番化したと思われるのが、back nubmberの「クリスマスソング」ではないだろうか。今週のHot100では先週の30位から一気に上昇し、今週は20位となっている(【表1】)。この曲は2015年リリースなので、今年で4シーズン目となる。最初はドラマ主題歌として発表されたが、定番化したこともあり、彼らのシングルでは最もCDが売れているというのも納得。ストレートなラブソングであり、クリスマスらしいゴージャスなアレンジも相まって、毎シーズンチャートに上ってくるのは当然といってもいいくらいだ。
Hot100の推移でいうと、2015年のリリース・タイミングでは、11/30付と12/7付の2週連続に加えて年明け1/4付と合計3週で首位を獲得している。翌年からは2017年の1/2付で10位、2018年の1/1付で14位、2019年の1/7付で10位と、好成績が続いているが、今年はもしかしたらさらに上位を目指せるかもしれない。というのも、この曲は今年に入ってからストリーミングで全面的に解禁になっているからだ。もともと彼らのヒット曲はダウンロードのポイントが主体だったが、徐々にストリーミングに移行している。
実際、「クリスマスソング」に関しても6割以上はストリーミング再生のポイント加算によるもの。そしてさらにはカラオケの定番となったことで、カラオケの歌唱数ポイントも大幅にプラスされており、長くヒットするには絶好の素材が揃ったといえる。忘年会シーズンで、最もカラオケが利用されるこの時期においては特に有利だ。このあともじわじわとチャートを上昇することが予想され、ベスト10入りしてもまったくおかしくない状況が揃っているといえる。
山下達郎はストリーミング未解禁だし、マライア・キャリーなどの洋楽ヒットはカラオケのポイントが反映され辛い。そう考えると、back numberの「クリスマスソング」はもはや敵なしの鉄板クリスマスソングといっても過言ではないだろう。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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