2019/11/23
毎年恒例のNHK紅白歌合戦の出場者が発表された。それに伴い、チャートにも大きく影響が出始めている。なかでも注目したいのは、LiSAの「紅蓮華」が先週の21位から10位にまで急上昇したことだ(【表1】)。
LiSAはこれまでもチャート上位の常連だったし、この「紅蓮華」もダウンロードがスタートした5/6付と、フィジカルのCDリリースタイミングの7/15付で5位という好成績を残している。加えて、アニメのタイアップという強力な後押しもあり、ダウンロードではすでにロングセールスを記録しており、ずっと上位をキープし続けていた。だから、長くチャートインしていること自体はそれほど珍しくはないし、当然といってもいい。
しかし、このタイミングでの紅白決定は彼女にとってかなり大きい出来事といえるかもしれない。すでに好成績とはいえ、アニソンはコアなファンによって支えられている。それが、紅白という大舞台に出場することにより、一気にファン層を拡大するチャンスとなるからだ。水樹奈々の前例を挙げるまでもなく、そのチャンスがやってきたことに異論はないだろう。
さらにいえば、今回の紅白出場は非常にタイミングがいい。というのも、10月に全曲ストリーミングを解禁したばかりなので、グレーユーザーがさらにアクセスしやすくなったのだ。実際、ストリーミングのチャートは解禁以降ずっと20位以内をキープしており、今週は9位を記録している。それまで圏外だった動画再生数も今週になってぐっと上がってきていることを考えると、コアファン以外からの注目度は非常に高いといえる。この勢いで紅白出場を軸に年末年始を盛り上げることができたら、ワンステップ上のステージに上がれることは間違いない。年末年始の「紅蓮華」のチャートアクションに、さらに期待したいところだ。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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