2019/11/17
11月18日付のBillboard JAPAN “Top Singles Sales”で、BiSH『KiND PEOPLE/リズム』が76,451枚を売り上げて2位を獲得した(集計期間2019年11月4日~2019年11月17日)。
『KiND PEOPLE/リズム』は前作『stereo future』から約11か月ぶりに発売された8枚目のシングル。両A面となる本作では10月25日に『ミュージックステーション』で初披露した「KiND PEOPLE」と、メンバーのアイナ・ジ・エンドが作曲、モモコグミカンパニーが作詞を行った「リズム」が収録されている。
ここでは、BiSHの発表してきたCDがどのような売れ方の推移をしているのか、SoundScanJapanのセールスデータを使用し調査した。まず、今作までの各シングルの初動及び現在までの累計をグラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/82145/2)である。
文字通りのタイアップ無し、事前告知や宣伝なしで発売した6作目の「NON TiE-UP」以外は全て前作を超える初動を記録し続けており、今作も前作『stereo future』を超える初動をみせている。また、過去作を見てもわかる通り全ての過去作が2週目以降も販売数を伸ばす傾向があるため、累計も前作を超えるのは確実だろう。
更にBiSHのの過去作が現在どのような売れ方をしているかを調査した。BiSHの過去に発表したアルバムの2019年に入ってからの販売数をグラフにしたのが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/82145/3)である。7月7日の大きな山は6作目の『CARROTS and STiCKS』(図中緑)の発売によるものであり、それ以前は全作品合計で週平均220枚程度の販売数だった。
10月に入り『CARROTS and STiCKS』の販売枚数が落ち着いたところで、全ての作品が大きく伸び始め、10月20日には全作品合計で5000枚を超す売り上げを記録した。これは、10月10日にTVテレビ朝日系列で放送された『アメトーーク!』の「~クセがすごい女性グループ~ BiSHドハマり芸人」の影響によると考えられる。番組終了近くの10月11日0時より、1日限定&iTunes限定で、アルバムを前作300円で販売という思い切った施策を実施し、10月21日付のBillboard JAPANダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums”(集計期間10月7日~10月13日)で6作合計で71,612ダウンロード、1位及び3位~7位を独占している。同一集計期間のアルバムセールスでは6作品合計で1,317枚と前週の377枚と比較すると大きく伸びてはいるが、ダウンロードで見せたような大きな動きはみらなかった。
しかし、1週遅れの10月20日の週では更に大きく伸びて6作合計5,196となり、更に放送後1カ月経過した現在も、全ての作品が継続して売れ続けている。これらのCDアルバムはダウンロードと違い、時間制限の安売り等のない定価で販売されており、TVの放送を観たり、ニュースやSNS等で話題になっているのを感じた新規のファンがCDを購入していると考えられる。
また、過去作品の販売枚数が伸びているという事に注目し、女性アイドルの2018年以前に発売された古いアルバムが2019年になってどのくらい売れたかを調査し、アーティスト別ランキングにしてみた。
〇2019年女性アイドルグループ旧作品販売数(2018年以前に発売されたタイトルの合計)
1位 BiSH (21,569枚)
2位 けやき坂46[現日向坂46] (18,051枚)
3位 乃木坂46 (14,173枚)
4位 Perfume (13,035枚)
5位 欅坂46 (12,636枚)
6位 Kiss Bee (9,374枚)
7位 BAND-MAID (8,897枚)
8位 BABYMETAL (6,681枚)
9位 PassCode (2,848枚)
10位 虹のコンキスタドール (1,834枚)
女性アイドルグループのCDは初動の影響が大きく過去作が大きく売れるケースはあまりなく、現在のマーケットを鑑みると店舗でのCDの在庫も、そこまで多くはないであろう。そんな中で現在のBiSHの過去作の動向はかなり特殊だと言えるだろう。
話題が冷めやらぬ前に更に発売した『KiND PEOPLE/リズム』がスマッシュ・ヒットなり、ますます勢いをつけているBiSHから今後も目が離せない。
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