2019/11/11 14:00
2019年11月11日付のHot100の上位を見れば分かる通り、ニューリリースの作品以外は、Official髭男dism、あいみょん、King Gnuなど、ロングヒット組で占められている。完全にヒットの図式が2極化していることがわかるだろう。例えば、あいみょんの「マリーゴールド」は、フィジカルのCDがそれほど売上があったわけではないのに、ストリーミング、動画再生数、カラオケの歌唱数などを中心にポイントを稼ぎ、ロングヒットとなっている。売上しかチャートに加算されなかった時代にはあり得ないヒットの形態といえるだろう。
こういった長く売れる傾向のハシリといえば、2014年にリリースされた三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの「R.Y.U.S.E.I.」ではないだろうか。この曲は当初はCDはのセールス数とダウンロードでポイントを稼ぎ、徐々に下降したかと思ったら、ストリーミングと動画再生数によって盛り返し、長きに渡ってチャート上位をキープしながら大ヒットを記録した。
そんな三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEは、9月に新曲「Rat-tat-tat」を発表。9/30付の初週では14位、7週目となる今週は29位となっている(【表1】)。「R.Y.U.S.E.I.」と比べてしまうと少し地味なチャートアクションではあるが、そのときと違ってこの曲はフィジカルのCDがない。よって、ダウンロードとストリーミングを中心にポイントを稼いでいるため、下降気味ではあるとはいえ、なんとかチャート上位に残っているのだ。
ではこのまま下がり続けるのかというと、そうとも言い切れない。というのも、よく見ると動画再生数が先週は圏外だったのに、今週は47位にまでぐいっと上がってきているからだ。もともとこの曲はPVは作られておらず、オフィシャルのYouTubeチャンネルでも静止画像のもの。普通に考えるとこれ以上伸びる要素はなさそうなのだが、Tik-Tokや素人のダンス動画なども含めて、別の角度からブレイクする可能性もある。そうなると、ツイッターやカラオケなどのポイントとも連動して急上昇することも考えられるだろう。
「R.Y.U.S.E.I.」のロングヒットも、最終的には動画再生数の伸びの良さが決め手となった。今回の「Rat-tat-tat」の運命も、もしかしたら動画再生数が深く関わってくるかもしれない。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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