セレーナ・ゴメスの新曲「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」が自身初のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

　先週の15位から1位にジャンプアップした同曲は、週間3,880万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでも20位から1位に、デジタル・ソング・セールス・チャートでも、39,000ダウンロードと高水準を維持し、2週連続の首位をキープした。エアプレイも好調で、2週目で週間2,420万回を記録し41位にデビューしている。

　セレーナのTOP10入りは、2017年にカイゴとコラボレーションした「イット・エイント・ミー」(最高10位)以来およそ2年半ぶり、通算8曲目。アルバム・チャートでは1st『スターズ・ダンス』(2013年)、2nd『リバイバル』(2015年)がいずれもNo.1獲得を果たしているが、ソング・チャートでの首位獲得は自身初の快挙達成となる。これまでの最高位は、2015年にリリースした「グッド・フォー・ユーfeat.エイサップ・ロッキー」と「セイム・オールド・ラヴ」が記録した5位だった。

　セレーナがHot 100に初めてランクインしたのは、デビュー曲「テル・ミー・サムシング アイ・ドント・ノウ」が99位に初登場した2009年1月10日付チャートで、初のランクインから約10年10か月を経てNo.1獲得を果たしたことになる。初ランクインから1位獲得までの歴代最長記録はサンタナの30年で、女性アーティストではベット・ミドラーの16年6か月2週間。

　「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」がNo.1に到達したことで、2019年の首位獲得曲数が12曲に更新され、同12曲を記録した2012年に並んだ。なお、2012年にはセレーナの所属する＜インタースコープ・レコード＞からLMFAOの「セクシー・アンド・アイ・ノウ・イット」、カーリー・レイ・ジェプセンの「コール・ミー・メイビー」、マルーン5の「ワン・モア・ナイト」の3曲が、今年はレディー・ガガ＆ブラッドリー・クーパーの「シャロウ」、ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」の計3曲が首位獲得を果たしている。

　2019年のチャートでは、レディー・ガガ＆ブラッドリー・クーパーの「シャロウ」(3月9日付)が打ち出した21位から1位に次ぐ上昇記録で、「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」と同じく、15位から1位にジャンプアップしたタイトルには、今年最大のヒットを記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」(4月13日付)もある。

　「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」の翌10月24日に連続リリースされた「ルック・アット・ハー・ナウ」は、今週27位に初登場。週間14,000ダウンロードを記録し、デジタル・ソング・セールス・チャートで12位から6位に、週間1,880万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでは18位にデビューしている。「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」、「ルック・アット・ハー・ナウ」の各ポイントが急上昇したのは、集計期間が前週と今週で分散したため。

　先週、自身初のNo.1獲得を果たしたルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」は、セレーナに押され2位にダウン。エアプレイ・チャートではトップとなったが(1億120万回)、デジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から8位に(13,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでも8位から11位に(2,480万視聴)それぞれ順位を落としている。一方、ポスト・マローンの「サークルズ」は前週の4位から3位にTOP3入りし、最高位を更新した。

　R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートで10週目の首位獲得を果たしたリゾの「トゥルース・ハーツ」は2位から5位に転落したが、先週14位まで上昇した「グッド・アズ・ヘル」が今週6位にランクアップし、自身2曲目のTOP10入りを果たしている。今週上昇したのは、10月25日にアリアナ・グランデをフィーチャーしたリミックスが発売されたため。その効果を受け、週間29,000ダウンロードを記録し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは8位から2位に、ストリーミング・チャートでは30位から21位(1,730万視聴)、エアプレイ・チャートでは＜Airplay Gainer＞を獲得して12位から9位にTOP10入りを果たしている(6,700万回)。

　今週のアルバム・チャートでNo.1デビューを果たしたカニエ・ウェストの新作『ジーザス・イズ・キング』からは、7位に「フォロー・ゴッド」がデビューした他、収録曲11曲全てが100位内にランクインした。カニエのTOP10入りは、リル・パンプとコラボした「アイ・ラブ・イット」(最高6位)以来1年ぶり、通算18曲目で、TOP10にデビューした楽曲では8曲目の記録更新となる。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月8日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」セレーナ・ゴメス
2位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ
3位「サークルズ」ポスト・マローン
4位「セニョリータ」ショーン・メンデス＆カミラ・カベロ
5位「トゥルース・ハーツ」リゾ
6位「グッド・アズ・ヘル」リゾ
7位「フォロー・ゴッド」カニエ・ウェスト
8位 「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク
9位「パニーニ」リル・ナズ・X
10位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ