2019/11/05
カニエ・ウェストの新作『ジーザス・イズ・キング』が初登場1位を記録した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
告知からの延期が続いていた本作は、2019年10月25日にようやくリリースされ、週間264,000ユニットを記録し、自身9作目となるNo.1獲得を果たした。264,000ユニットのうち、アルバムの純粋な売上枚数は109,000枚、ストリーミングによるユニット数が151,000。いずれも10万を超える高記録を打ち出し、セールス、ストリーミング、R&B/ヒップホップの主要チャートでもNo.1デビューを飾った。
週間視聴回数は1億9,690万回で、自身最大の週間ストリーミング記録も更新している。これまでの最高記録は、前作『イェー』(2018年)が初登場週で打ち出した1億8,100万回だった。なお、『イェー』の収録曲数は7曲、『ジーザス・イズ・キング』は11曲で、1曲あたりの視聴回数は落ちている。
2019年では、今週2位にランクインしているポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』(3億6,540万回)、アリアナ・グランデの『thank u, next』(3億710万回)、テイラー・スウィフトの『ラヴァ―』(2億2,610万回)それぞれの初登場週、それからポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』が2週目に記録した2億2,090万回に次ぐ、5番目に高い週間ストリーミングとなる。
2019年のR&B/ヒップホップ・アルバムのみの週間セールスとしては、前述の『ハリウッズ・ブリーディング』が初週で記録した20万枚に続く2番目の高記録。公式ウェブサイトで販売されたグッズの売上や、リリース前に米LAで開催されたドキュメンタリー映画『ジーザス・イズ・キング』のプレミア~リスニング・イベントでの販売枚数も含まれている。全アーティストの週間最高セールス(2019年)は、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』が初週で記録した679,000枚。
これで、2004年のデビュー作『ザ・カレッジ・ドロップアウト』(最高2位)を除く、8枚のスタジオ・アルバム全てを全米1位に送り込んだカニエ。なお、9作中もう1枚は2011年にジェイ・Zとコラボレーション・アルバムとしてリリースした『ウォッチ・ザ・スローン』で、そのジェイ・Zは計14枚のアルバムが首位獲得を果たし、ラッパーとしては歴代最高記録を維持している。
カニエのアルバム首位獲得記録は、ビートルズの19作、ジェイ・Zの14作、ブルース・スプリングスティーンとバーブラ・ストライサンドの11作、故エルヴィス・プレスリーの10作に次ぐ、歴代6位タイ。その他9作で6位にランクインしているアーティストは、ガース・ブルックス、ドレイク、マドンナ、ローリング・ストーンズ、そしてエミネムの5組がいる。
そのエミネムも、1999年のデビュー・アルバム『ザ・スリム・シェイディ LP』(最高2位)を除く、2ndアルバム以降の9作品を全て1位に送り込んだアーティスト。首位獲得数でいえばビートルズやジェイ・Zに軍配が上がるが、彼等の作品は非連続での1位獲得で、連続記録としてはカニエとエミネムの同9作が歴代トップとなる。ビートルズに至っては、初登場1位ではない作品も多い。
ポスト・マローンを挟んで、今週3位に初登場したのは、イギリスのシンガーソングライター=レックス・オレンジ・カウンティの『ポニー』。これまで2枚のアルバムを発表しているが、メジャー・レーベルからは本作が初のリリースとなる。前作『アプリコット・プリンセス』(2017年)は、インディーからのリリースだったこともあり、同チャートにはランクインしなかったが、ヒートシーカーズ・チャートでは最高2位、インディペンデント・アルバム・チャートでは8位をマークするヒットを記録した。
『ポニー』の週間ユニットは70,000で、そのうちアルバムの売上枚数が56,000枚。セールスが圧倒的に強かったのは、今後行われるライブ・チケットの償還と、公式ウェブサイトで販売されているグッズ商品の売り上げが貢献したため。 本国UKチャートでも5位にデビューし、各国で自己最高位を更新した。
9位に初登場したのは、カントリー・バンドのオールド・ドミニオン3作目となるスタジオ・アルバム『オールド・ドミニオン』。最高7位を記録した前作『ハッピー・エンディングス』(2017年)に続き2作連続のTOP10入りを果たし、カントリー・アルバム・チャートでも、同2作目のNo.1獲得となった。週間ユニットは31,000で、そのうちアルバム・セールスが19,000枚だった。
オールド・ドミニオンは、ルーク・ブライアンやサム・ハントなどの人気アーティストを手掛けるマシュー・ラムジーや、ブレイク・シェルトン~キーズ・アーバンのヒットを輩出したトレヴァー・ローゼン等5人のソングライター/プロデューサーによるユニット・バンドで、各々が手掛けた作品ではその他にもTOP10入りしたタイトルがいくつかある。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月8日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ジーザス・イズ・キング』カニエ・ウェスト
2位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
3位『ポニー』レックス・オレンジ・カウンティ
4位『AI YoungBoy 2』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
5位『Over It』サマー・ウォーカー
6位『カーク』ダベイビー
7位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
8位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
9位『オールド・ドミニオン』オールド・ドミニオン
10位『ソー・マッチ・ファン』ヤング・サグ
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