2019/10/14 12:00
香取慎吾が10月1日に突如新曲「10%」を発表し、話題を呼んでいる。今週のHot100では、早くも7位と強豪だらけのトップ10に食い込んだ(【表1】)。
SMAPが解散し、新しい地図(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)の3人の活動はとにかくユニークだ。ジャニーズ時代にはできなかったウェブ上のメディアを最大限に活かし、新たなフィールドで活躍している。音楽活動に関しても、固定観念にとらわれないやり方でファンを驚かせているのだ。
今回もまさにサプライズ。前日にはファンクラブ向けになんらかの発表があるという告知をしたそうだが、一般的には10月1日の午前0時にInstagramでジャケ写とともに「“10%”OUT
NOW!!」というメッセージを出し、新曲の配信がスタート。最初はなんのことかさっぱりわからないファンも多かったようだが、新曲のリリースということが伝わると一気にその話題で持ちきりとなった。
通常、アーティストが新曲を発表する際には、事前に入念に予告し、いかに前あおりをするかにエネルギーと予算を投下することが多い。しかし、今回は事前情報一切無しでの試みで、そのサプライズ感がうまくヒットに繋がった。もちろん香取慎吾というバリューがあったからこそで、どのアーティストや楽曲にも当てはまるわけではない。ただ、世界的に見るとこういった発表の仕方は珍しいわけではなく、ビヨンセやジャスティン・ビーバーなど洋楽での前例は数え切れ無いほどある。すでに同様のやり方を試みている日本人アーティストも多いし、今後もフィジカルのCDとは無縁の配信によるサプライズ・リリースは増えていき、チャートにも大きく影響していくことだろう。
香取慎吾はいまだにジャニーズ時代の印象が残っているため、余計に驚きを持って迎え入れられたことが、成功の要因のひとつといえる。と思っていたら、今度は嵐が数曲ではあるが、突然ストリーミングに参入した。まさに、時代は変わろうとしているのだ。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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