2012/10/26
今年メジャーデビュー10周年を迎えたスネオヘアーが、TOKYO MX他にてオンエア中のアニメ『好きっていいなよ。』エンディングに起用されているニューシングル『slow dance』をリリースした。
2002年にメジャーデビューした渡辺健二の一人プロジェクト スネオヘアー。近年では映画出演なども盛んに行っており、2010年にはスターチャイルドへ移籍。以降、『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズのエンディングに起用された「逆様ブリッジ」と「赤いコート」、昨年夏に発表のフルアルバムに収録された映画『雪の中のしろうさぎ』主題歌「眠りにつく頃」と、タイアップ起用が続いていた状況だ。
一方、今作をエンディングに起用する『好きっていいなよ。』は、累計370万部を超える人気コミックをアニメ化。友だちすらいない歴16年の女子高生のリアル初恋ストーリーが話題の秋アニメで、楽曲制作前に原作を読んだという渡辺も「“こんな素敵な恋をしてみたかった!”というエネルギーを感じる」と絶賛する1作になっている。
<主人公の女の子が言っているという解釈がいい>
そんな『好きっていいなよ。』のエンディングに起用される「slow dance」は、これまでと同様に作詞作曲を渡辺自身が担当。“そんなに意地悪しないで” “頼りないほど 抱きしめて”など印象的な言葉が耳に刺さるが、これについて渡辺は「“好きっていいなよ。”っていうタイトルも含めて、(アニメの)主人公の女の子が言っているという解釈がいいなって思ったんですよ」と述懐する。
また、同曲は先に挙げた引用以外にも、繊細な情景描写で感情を表現。叙情的な世界観で鼓膜をくすぐる歌詞が特徴だ。近年の主流に比べると直感的には分かり難い歌詞ともいえるが、そもそも彼は最近のポップミュージックの歌詞は刺さってこないという。「キレイとか美味しいとか楽しいとか、好きと思ったら好きって言うとか、理に適ってて羨ましい。でも、好きって言えたら曲にして伝える必要がないと思うんですよね」と。
<静かでも、脅威や怖さを表現できる>
そうした歌詞やメロディを支えるサウンドも見事だ。単一的なフレーズを淡々と続けるリズムにはループミュージックのような中毒性があり、折り重ねられたギターの音色が歌詞の世界観を色鮮やかに演出。キャッチーなサビのメロディにはハイトーンのコーラスを重ねて微妙な違和感を与えるなど、綿密にコントロールされた豊潤なサウンドが映える1曲となっている。
一聴すると大人しい作風と思うかもしれないが、こちらについても渡辺は「静かにやっているだけでも、脅威や怖さを表現することはできる」と断言する。元々、突き抜けずに平行線を辿っていく中でアレンジしていくのが好きだという彼は、この「slow dance」においても絶妙のバランス感で、心地良くてちょっと奇妙なサウンドを構築してみせているのだ。
なお、本作には他にも映画『ハイザイ ~神さまの言うとおり~』主題歌に起用される「ユニバース」、『鷹の爪.jp』オープニング曲としてi-depとコラボした「鷹の空~ルテルテ主坊~」など、シングルながらに多彩な楽曲が揃った。
現在YouTubeでは「slow dance」のミュージックビデオが、そしてニコニコ動画ではアニメ『好きっていいなよ。』の最新話が無料で配信されている(アーカイブは有料)。「エンディングテーマは劇中の話をそのまま引き継いでカットインしていくから、ドラマティックにならないハズがない」という渡辺の言葉通り、印象的な映像とのマッチングは一見の価値ありとなっているので、気になる人は是非チェックしてみよう。
◎YouTube「slow dance / スネオヘアー」
http://youtu.be/kkCV24xkDes
◎ニコニコ動画「好きっていいなよ。」
http://ch.nicovideo.jp/channel/sukinayo
info:http://www.suneohair.net/
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取材・写真 杉岡祐樹
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