2019/08/31
8月9日に配信リリースされたKing Gnuの新曲「飛行艇」が好調だ。リリース週の8/19付で10位を記録し、翌週は17位まで下降したが、今週は13位にまで再浮上している(【表1】)。「白日」がロングヒットを記録し今週も12位ということで、チャート上は仲良く並んでいるのも心強い。いずれもフィジカルのCDは無く、ダウンロードとストリーミングによる配信のみ。もはやヒットにフィジカルの有無は意味がなくなりつつあるが、彼らはその最先鋒といってもいいだろう。
「飛行艇」も「白日」と同じくタイアップがついている。今回はANAのTVCMソングということで露出も多いが、「白日」のドラマタイアップに比べると少し分が悪い。そのため、初動も「白日」は9位だったし、リリース時点である程度楽曲の認知が高かったことは大きい。ただ、「飛行艇」はラジオのオンエア回数では「白日」を大きく上回っており、メディアからの注目度は相当高くなっている。加えて、8月22日にYouTubeで公開された不思議な世界観を持つミュージックビデオも好調で、すでに350万回近くの再生数を叩き出している。あとはここからどれだけ売り伸ばすかというところだろう。
そのキーポイントとなってくるのが、まちがいなくストリーミングだ。先週は6位、今週は8位とベスト10に入っており、Official髭男dismやあいみょんといった強豪と肩を並べているというのはさすがだ。「白日」は、ストリーミングでは20週以上に渡ってベスト10をキープしており、追走する形で引っ張れば同じようなロングヒットになる可能性が高い。また、楽曲がある程度浸透すればカラオケチャートも上昇するだろう。あとは、「白日」よりもハードで重めの楽曲が、どれだけリスナーに受け入れられるかどうかだ。ひとつ言えるのは、King Gnuのアーティストパワーは絶好調だということ。この勢いで「飛行艇」をロングヒットにつないでもらいたい。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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