2019/08/26
米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”の頂点に史上最長の19週君臨し続けたリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」に阻まれ続けたビリー・アイリッシュの「bad guy」がようやくNo.1まで上り詰めた。
ビリーにとって初の全米No.1となった同曲は、「オールド・タウン・ロード」の巨大な影に隠れ、計9週も2位に留まり続けた。3月のリリース後、7月半ばにはジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックスも発売されたが勢いが足りず、永遠の2位に甘んじるのではと本人も諦めかけていたようだ。
そんなビリーと、兄で共同ソングライター/プロデューサーのフィニアスに米ビルボードがインタビューし、初No.1についての感想や、「bad guy」のような実験的なポップ・ソングがなぜ商業的に成功したのかについて二人の意見を聞いた。
◎「bad guy」がようやくNo. 1になったと聞いた時、どう反応しましたか?
ビリー:直後の反応としてはなんとも思わなかった、だってーここちゃんと聞いてねー(「bad guy」を)1位にするために一生懸命やっていると聞かされたあとに、やっぱり1位にならなかったと聞かされていたから。だから自分としては、もうダメ、おしまい、(リル・ナズ・Xが)勝ったと思っていた。そのあとに、「1位になったよ!」って言われても「嘘つき」としか思えなかった。本当に嘘だと思ったんだもん。リル・ナズ・Xが脚光を浴びる時なんだって納得していたけれど、事実だと知ってとても嬉しかった。マジで最高。
フィニアス:僕は(別プロジェクトの)プロデュースの最終段階にどっぷり浸かっている時に「bad guy」が1位になったって知ったんだ。この新しいプロジェクトで正しい判断をしているのか、ものすごいストレスを感じていたんだけれど、人生ってそうやって生きるべきなんじゃないかなって思うんだよね、とにかく前に進んで、ものを作り続けて。「bad guy」がこれほど好調なことについては当然とても感謝しているよ。衝撃的だし、意外だし、喜ばしい。でも、人々が興奮できる次の曲を作ろうとすることが大事なんじゃないかって思っている。
◎「bad guy」は「オールド・タウン・ロード」に次いで9週間2位に留まっていました。「オールド・タウン・ロード」ほど巨大なヒットと同時期に個人的な大きな節目を迎えたことについてはどうでしたか?
ビリー:「bad guy」が有名な曲だって思うと変な感じ(笑)。「オールド・タウン・ロード」を知らない人なんていないじゃない?(Hot 100で)そんな曲の上に自分の曲があるということは衝撃的。リル・ナズはすごくいい奴なんだよ、数週間前に出会ったんだ。競争なんかじゃ全然なくて、ただただ面白いだけ。数字のことはどうでもいいって思ってる。仕事をする上で起こる面白いことってだけ。どうでもいいけれど、なんとなく興味深いって感じ?
◎ヒットすると思っていなかったのだとしたら、今の状況は最高でしょうね。
ビリー:面白いのは、はっきり言って失敗すると思っていたんだよね。コーラスにフックがないから。少なくともコーラスとして書いたものにね。だってコーラスは、[「bad guy」のシンセのリフをハミングする]だもんね。兄の部屋で、一緒にあれの上に乗せる何かを書こうとしてみたんだけれど、あれ以外何もしっくりこなかったからできなかった。あそこを空っぽにするつもりじゃなかったんだけれど。「これを気に入ってくれる人っているのかな、だってここ歌詞がないじゃん」って感じだったけど、何故か気に入ってもらえて、大ヒットした。これまで作ってきた中でもお気に入りの曲のひとつ。パフォーマンスするのが一番大好き、すごく楽しい。あの曲をすごく誇りに思う。
◎ネットを見たり、ファンと交流したり、パフォーマンスを披露したりするご自身の視点から、「bad guy」は何故これだけ多くの人に響いたのだと思いますか?
ビリー:楽しいからだと思う。女の子の口から出てくるにしては変なものだから。ニッキー・ミナージュも何かの曲で(「チュン・リー」)自分は“bad guy (悪役)だ”って言ってたけれど、最近まで気づかなかったんだ。あの文章がクールに並列したと思った。何故人々に響くのかって?自分に響く理由はわかるけれど、全部個人的な理由だしね。ただ楽しいからじゃない?キャッチーだし。すごく変な曲だよね!でもキャッチー。
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