2019/08/20 10:35
ELLEGARDENが、8月17日に北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージにて行われた【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019】に出演。ライブレポートが到着した。
夜はまだまだこれから。そんな合図を告げるかのように無数の花火が打ち上げられ、SUN STAGEで待機する観客の興奮は最高潮に。21時、モニターに表示されたのは「ELLEGARDEN」の文字。ずっとこの時を待っていた!そんな観客の思いが滲む大歓声の中、細美武士(ヴォーカル&ギター)、生形真一(ギター)、高田雄一(ベース)、高橋宏貴(ドラム)が登場した。
「Fire Cracker」で勢いよく火蓋を切ると、「Space Sonic」「モンスター」と続き、早くも客席は熱狂の渦に包まれていた。今、この瞬間が楽しくて仕方がないのは観客だけじゃない。メンバーだって同じだ。何たって、モニターに映る1人1人の表情がそれを物語っている。
「すげーな、この光景。ずいぶんとお久しぶりだったんで、メンバーそれぞれ挨拶をさせてください」と、観客を愛おしそうに見つめながら切り出す細美。そこで、生形と高橋はライジングに初出演した際のことを振り返った。高橋は「2002年に初めて出た時、北海道に向かうフェリーの中で『何観に行くんですか?』と聞かれて、『出るんです』と答えて驚かれたことが一番印象に残ってる」と衝撃のエピソードを暴露。感慨深そうに当時のことを語るその姿から、彼らにとってこのフェスがいかに大切なものであるかが伺える。
曲が終わるごとに「ありがとう」という言葉がひっきりなしに飛び交う中、「ありがとうはこっちの台詞だよ。まじで。歳を重ねたら愛情が大きくなっちゃって、後ろの人たちの顔が見えたらいいなって思ったりもして。どんな仕事してるんだろう?とか思うけど、みんなが幸せでいてくれたらいい。でも何より、俺は今、ウブと雄一と高橋が楽しければいい」と打ち明ける細美。この人はどうしてこうも、心を抉り、震わせるような台詞をひっきりなしに放つのだろうか?
細美の発言にたまらず痺れていると、ついに終盤へ。「ジターバグ」「Salamander」「虹」などが披露され、ありったけの体力を注ぐかのように、力強い盛り上がりを見せる観客たち。今日のために、エルレのために、ここにいる全員が、熱狂する準備も感涙する準備もできていたはずだ。
「もっとやりてえんだけどさ、もう終わりの時間なんだわ。でも10年前と違ってさ、もしかしたら来年もやるかもしんねえじゃん。昔、休止前にBRAHMANと対バンした時、MAKOTOに『フロアのヤツらに自由にしろとか言って、大合唱させてるじゃん』って叱られて。でも、俺はお前らの声が聴きたいです。ライジングの時間くらい、自分より誰かのことを大切にしような。ELLEGARDENでした」。
名残惜しくて仕方ないが、今日が終わっても、エルレと共にこれからの日々を歩むことは、この2019年の今なら可能なのだ。恐れることは何もない。きっと、4人ならこれ以上の景色をこれからも見せてくれるはず。そう確信できてしまうほど、彼らがELLEGARDENをこれ以上ないくらい愛してることが、今日の演奏から、言葉の端々から痛いくらいに伝わってくる。彼らにとって、そして彼らを愛する人々にとって、きっと今日からがまた始まりなのだ。
ラストは「スターフィッシュ」で大団円。〈こんな星の夜は/全てを投げ出したって/どうしても/君に会いたいと思った〉と唄われる同曲だが、もはや星どころじゃない。ステージの後ろでは満月が顔を出し、最上級な自然の演出がよりこの時間を色濃いものにしている。
昨日より今日、今日より明日ーー石狩の地にまた新たな伝説を残し、4人はまた新たに歩み始めた。
◎公演情報
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO】
2019年8月17日(土)
北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
Photo:n-foto RSR team
(C)RISING SUN ROCK FESTIVAL
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