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2019/08/05

【米ビルボード・アルバム・チャート】NFが2作連続No.1、チャンス・ザ・ラッパー2位初登場

 米ミシガンのクリスチャン・ラッパー、 NFの新作『ザ・サーチ』が首位デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作は、2017年10月リリースの3rdアルバム『パーセプション』から約2年ぶり、通算4作目のスタジオ・アルバム。その前作『パーセプション』も、2017年10月28日付チャートでNo.1デビューし、本作で2作連続のアルバム首位獲得を果たした。

 初動ユニットは130,000で、そのうちアルバムの実売が84,000枚。ラッパーのアルバムとしては珍しく、ストリーミングによるユニット数よりもセールスが強く、ポイントの大半を占めている。ストリーミングを除くセールスのみの初動枚数としては、2019年のラップ・アルバム最大の売上。なお、前作『パーセプション』の初動ユニットは55,000で、そのうちアルバムの売上は38,000枚だった。この傾向からも、NFはセールスの強いラッパーであることが分かる。『パーセプション』は累計110万ユニットを記録し、そのうち約16万枚がアルバムの売上だった。

 売り上げが好調だった理由として、公式ウェブサイトで販売されているグッズ商品や、ライブ・チケットの販売特典が挙げられる。ストリーミングが主流となった昨今では、こういった手法で売り上げを伸ばすアーティストも多い。

 ストリーミングによるユニット数はおよそ43,000で、週間視聴回数は5,840万回を記録した。前作『パーセプション』の初動ストリーミングは14,000ユニットで、週間視聴回数は2,110万回。いずれも、2倍近くポイントを上昇させている。前作からは、ソング・チャート“Hot 100”で最高12位、R&B/ヒップホップ・チャートで6位をマークした「レット・ユー・ダウン」が大ヒットしたが、本作からリリースされた先行シングル3曲は、いずれもTOP40入りすらしていない。にもかかわらず、この上昇率は彼の人気を物語る。

 NFは、2015年にアルバム『マンション』でデビュー。本作は、クリスチャン・アルバム・チャートでいきなり首位獲得を果たし、翌2016年に発売した2ndアルバム『セラピー・セッション』が、本チャートで12位、クリスチャン・チャートでは2作連続のNo.1に輝いている。

 今週2位に初登場したのは、チャンス・ザ・ラッパーの『ザ・ビッグ・デイ』。これまでに3枚のソロ・ミックステープをリリースしているが、正式なスタジオ・アルバムとしては初の作品、つまり実質上のデビュー作ということになる。

 本作の初動ユニットは108,000で、そのうちアルバムの売上が27,000枚、およそ80,000ユニットはストリーミングによるものだった。NFとは対照的に、こちらはストリーミングによるポイントがユニット数の大半を占めている。週間視聴回数は1億400万回で、ストリーミング・チャートでは首位デビューを果たした。

 【グラミー賞】受賞の引き金になった、2016年リリースのミックステープ『カラーリング・ブック』の8位を大きく更新。アルバム・チャートでは、最高5位をマークした『アシッド・ラップ』(2013年)を上回る自己最高位となる。

 『カラーリング・ブック』は、ストリーミングのみでのリリース作品における初のランクインを果たし話題を呼んだが、本作の発売直前にアナログ盤がリリースされ、7月13日付チャートで46位にリエントリーを果たしている。前2作も同時にパッケージ・リリースされ、『アシッド・ラップ』が5位、『10デイ』(2012年)は73位にデビューを果たしている。今週のアルバム・チャートでは、『アシッド・ラップ』が157位に、『カラーリング・ブック』は147位にリエントリーした。

 『ザ・サーチ』同様、『ザ・ビッグ・デイ』も 公式ウェブサイトで販売されたグッズ商品の売上や、ライブ・チケットの販売特典がセールスに貢献している。

 今週8位にデビューしたのは、ラッパーのヤング・ドルフとキー・グロックによるコラボレーション・アルバム『Dum and Dummer』。両者にとって、同チャート共に自己最高位、初のTOP10入りとなる。なお、ヤング・ドルフは2016年リリースのデビュー作『King of Memphis』がラップ・チャートで5位、翌2017年の4thアルバム『Thinking Out Loud』が同ラップ・チャートで8位をマークしている。『Dum and Dummer』の週間ユニットは36,000で、そのうちアルバムの実売がわずか2,000枚と、ストリーミングによるユニット数が圧倒的に強かった。

 10位にデビューしたのは、アイスランドのフォーク・バンド、オブ・モンスターズ・アンド・メンの最新作『フィーバー・ドリーム』。本作は、同チャート最高3位を記録した前作『ビニース・ザ・スキン』(2015年)からおよそ4年ぶり、3作目となるスタジオ・アルバムで、2012年のデビュー・アルバム『マイ・ヘッド・イズ・アン・アニマル』(最高6位)から3作連続のTOP10入りを果たした。週間ユニットは34,000で、そのうちアルバムのセールスが30,000枚。ストリーミングによるユニット数は僅かだった。本作も、 コンサートチケットの引き換え特典がセールスに大きく貢献している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、8月9日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・サーチ』NF
2位『ザ・ビッグ・デイ』チャンス・ザ・ラッパー
3位『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』エド・シーラン
4位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
5位『インディゴ』クリス・ブラウン
6位『7』リル・ナズ・X
7位『コズ・アイ・ラヴ・ユー』リゾ
8位『Dum and Dummer』ヤング・ドルフ&キー・グロック
9位『フィーバー・ドリーム』オブ・モンスターズ・アンド・メン
10位『Revenge Of The Dreamers III』J.コール/ドリームヴィル

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