2019/07/30
経済誌フォーブスが2012年から毎年発表している“世界で最も稼ぐDJ”ランキングで、始めて首位の座を獲得したのはティエストで、この年カルヴィン・ハリスはTOP10にも入っていなかった。ところがその翌年、ジェイ・Zやケイティ・ペリーよりも多かった4,600万ドル(約50億円)を稼ぎ出したハリスは、このランキングで1位に輝き、6年連続でトップを走り続けた。
ハリスが1位に君臨した6年間は、DJ人気がピークを迎えた時期と重なっている。収入がうなぎ上りに上昇し、米ラスベガスのエンターテインメントに不可欠な存在となった彼らは、エンドースメント契約を確保し、クラブ公演からスタジアム・ツアー、そしてメインストリームのスターへと登りつめた。
2019年のランキングが7月29日に公開されたが、トップDJたちの収入は過去最高となった。同誌のモニカ・マーキュリーは、「(ランキングの)TOP15に入ったアーティストたちは、過去12か月間で3億5,800万ドル(約390億円)の税込利益があり、その内2億7,200万ドル(約296億円)はTOP10によるもので、2018年の2億6,000万ドル(約280億円)から増加している」と指摘している。
2019年のランキングでは、ハリスの連続首位にようやく終止符が打たれた。今年の1位はザ・チェインスモーカーズで、ハリスは2ランクダウンの3位に後退している。ザ・チェインスモーカーズは、昨年7月から今年7月までの税込利益が4,600万ドル(約50億円)で、米ラスベガスのWynn Nightlifeでの常設公演の影響が大きい。3年間の予定だったものが2021年まで延長されたほか、フェスティバル出演、プライベート・パフォーマンス、広告契約、そして音楽セールスが主な収入源だ。ザ・チェインスモーカーズは1ステージ約50万ドル(約5,400万円)が相場だとフォーブス誌は伝えている。
2019年に2位に入ったのは4,000万ドル(約44億円)稼いだマシュメロだ。彼も最近ラスベガスのパームズ・カジノ・リゾートKAOS Dayclub and Nightclubでの常設公演契約を6,000万ドル(約65億円)で締結したばかりで、これにより年収がほぼ倍増した。
このランキングに入るような人気DJは、このようにほとんどがラスベガスで常設公演を行なっており、4位に入ったスティーヴ・アオキも例外ではないが、EDM音楽全盛期の2010年代中盤と比較すると今後の新規参入は厳しくなるだろうと彼は分析している。また、2019年のTOP10全体の収入は、2018年と比較して1,200万ドル(約13億円)増加したが、これはマシュメロの収入の増加によるものだ。
ビジネス・マネージメント会社NKSFBのウェイン・カネモト代表は、「EDMアーティスト全体の平均的ギャランティーはすでに頭打ちになり減少しているものの、最高ランクのアーティストたちは依然として高いギャラを得ている」とフォーブス誌に話している。
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