2019/07/28
7月29日付のBillboard JAPAN “Top Albums Sales”で、RADWIMPS『天気の子』が36,655枚を売り上げ2位を獲得した(集計期間2019年7月15日~2019年7月21日)。
『天気の子』は新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』のために制作された映画音楽を収録したサウンドトラックで、RADWIMPSとしては『ANTI ANTI GENERATION』以来7カ月ぶり、新海誠監督による映画のサウンドトラックとしては、『君の名は。』以来約2年11か月ぶりのリリースとなった。
『君の名は。』は初週の販売枚数は55,533枚なのだが、その後も映画のヒットとともに販売数を伸ばし、2019年7月21日現在485,099枚の累計売上を記録しており、今作にかかる期待も大きい。そして、今作『天気の子』であるが、発売日が金曜日でありランキング集計日数が少なく、また、1形態のみ(『君の名は。』は当初2形態)の販売という事もあり、条件的にはかなり不利な中、初週販売数は36,655枚と大健闘していると言える結果になっている。
ここで『天気の子』と『君の名は。』についての初週の店舗販売における地域別販売比率をSoundScanJapanのデータを使用し調査した。
〇『天気の子』初週地域別販売比率(かっこ内は『君の名は。』の初週地域別販売比率)
北海道 3.4%(4.1%)
東北 7.9%(8.5%)
関東 38.3%(32.9%)
甲信越 5.1%(4.6%)
北陸 2.4%(2.8%)
中部 12.3%(14.2%)
近畿 12.7%(13.7%)
中国 5.6%(6.8%)
四国 3.6%(3.2%)
九州 8.6%(9.3%)
『君の名は。』の主要舞台である中部地方では販売比率を減らす結果となっているが、関東地方では大きく販売比率を伸ばしている。更に、『君の名は。』の2019年7月21日までの累計販売数の地域別販売比率も含めてグラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/78229/2)である。『君の名は。』について、関東地方は初動より累計販売数の比率は大きく伸びている。対して『天気の子』は初週から関東でかなり高い販売比率を示しており、今後、人口の多い関東地方で更に販売を伸ばしていくのか、地方に広がっていくのか興味深い。
また、『君の名は。』について8週目までの販売推移が図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/78229/3)である。8週目までで約30万枚と順調に販売数を伸ばしているのがわかる。初回限定盤については3週目以降ほぼ伸びておらず、2週目で売り切っている事が考えられるが、その分、通常盤の販売枚数は順調に伸びている。そして、その後も更にセールスを伸ばし2年間で48万枚以上販売する大ヒットとなっている。それと比較すると初週販売枚数の55,533枚や、初回限定盤の累計販売枚数の40,000枚はかなり影響が小さく、その後の楽曲や映画の評判によって大きく積みあがっていくと考えられる。最近のサウンドトラックとしては『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』を思い浮かべるが、こちらも映画の評判とともにCDの販売数が積み上がり、初動2,952枚ながら現在まで累計販売枚数が264,989枚となっている。
『君の名は。』や『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』は、映画と音楽の相乗効果によりロング・セールとなった例であるが、これから映画を観て、音楽に触れる人が増えるであろう『天気の子』が今後どれくらい販売枚数を伸ばすのか注目したい。
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