2019/07/15
数々の競合がひしめくHot100のチャート上位だが、今週はBTSのニューシングル「Lights」が圧倒的な強さで首位を獲得した(【表1】)。初週のシングル・セールス数は769,454枚。これは日本における海外アーティストのシングル初動売上で歴代1位という記録だという。この結果だけ見ても、彼らの勢いはどんどん加速しているといっても過言ではないだろう。
一般的にK-POPはフィジカルのCDセールスよりも配信に強いというイメージがある。しかし、BTSに関していえば、何よりもCDセールスが第一で、その勢いはダントツ。実際、ダウンロードは13位、ストリーミングは5位とこれらも好成績ではあるが、CDセールスには及ばない。また、先行配信などを行うこともなく、リリース日に一挙解禁となっている。よって、リリース前にはツイッターのポイント程度しか反映されないため、フィジカルのセールスがチャート対策において最重要となっている。BTSのこの動きは、配信の有無の違いはあるとはいえ、ジャニーズ系の動きと重なって見えてくる。
BTSの日本におけるチャート戦略を見ると、全方位で展開しながらも、あくまでもCDの売上に落とし込む動きが見えてきた。まさに日本のファンの特性に合ったチャート展開の手法は、ジャニーズ系を凌駕して最強と言ってもいいのかもしれない。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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