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2019/07/08

【まふまふメットライフドーム2days】アーティストしての才能を見せつけた単独公演

 まふまふが、6月22日、23日の2日間、埼玉・メットライフドームにて単独公演&主催フェスを開催した。

 2デイズ公演の1日目は、まふまふの単独公演【ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~】。YouTubeチャンネル登録者数170万以上、Twitterのフォロワー数155万以上、動画再生数は累計8.5億超え。“ネットシーンに現れた稀代のクリエイター”として圧倒的な人気を獲得しているまふまふは、3万5000人のオーディエンスの前で大スケールのエンターテインメントを繰り広げた。

 ライブは「明日色ワールドエンド」の収録曲「輪廻転生」 でスタート。強靭なバンドサウンド、起伏に富んだメロディライン、“全て生まれ変われ”というフレーズを響かせ、会場全体を高揚感で包み込む。

 さらに赤と黒を基調にした映像と重厚なサウンドが絡み合う「ベルセルク」、ステージ前方で無数の炎が立ち上った「立ち入り禁止」などを次々と披露し、ピンクと白のサイリウムを掲げた観客のテンションは早くも最初の頂点に達した。

 灰色の城と十字架が置かれたステージセット、楽曲の世界観とリンクした映像も素晴らしい。「みなさんこんにちは! まふまふです!」という挨拶から最初のMCへ。「今日はなんと、ここネットライフドームに3万5000人が集まってくれました! 雨が降ってることで、(球場内の)開いてるところも壁みたいになって。ここは僕たちだけの空間です。今日は最後まで楽しんでください!」と語りかけると、客席からは大きな歓声が沸き上がった。

 曲名をコールした瞬間にさらに大きな歓声が起きた「ジグソーパズル」、「一緒に歌いましょうか」という言葉に導かれた「君色々移り」で一体感を演出した後は、新曲「サクリファイス」(TVアニメ『かつて神だった獣たちへ』のOP主題歌)を初お披露目。不条理な世界のなかで、それでも誰もが居場所を見つけようとするアニメの世界観と重なるこの曲は、爆発的なパワーを持ったサウンド、ドラマティックな旋律を軸にしたアッパーチューン。アニメの放送とともに、まふまふの新たな代表曲として認知されることになりそうだ。

 この後は、まふまふの豊かな音楽性を実感できるシーンが続いた。まふまふがギターを弾きながら歌った、爽やかで切ないギターロック・ナンバー「恋と微炭酸ソーダ」、春の情景が鮮やかに映し出された「拝啓、桜舞い散るこの日に」、満月の映像と叙情的なメロディが心に残ったバラードソング「朧月」。そして、ノスタルジックな雰囲気の「夢花火」「鏡花水月」(Acoustic ver.)では鍵盤と歌だけのアレンジで情感豊かなボーカルを響かせ、「ナイティナイト」では神聖なイメージを美しく描き出す。これらの楽曲からは、彼の幅広い音楽性はもちろん、個性的なハイトーンボイス、多彩な表現力を含めた“歌い手”
としてのポテンシャルの高さを改めて実感することができた。

 カラフルなレーザー、まるでゴーストのようなまふまふのホログラムで演出された「廃墟の国のアリス」、艶やかな和装姿で登場、ムービングステージに乗ってアリーナの真ん中へ移動しながらパフォーマンスされた「曼珠沙華」からライブは後半へ。「せっかく真ん中に来たけど、切ない曲を歌わせていただきます」という「とおせんぼう」では、童謡のような素朴な旋律とともに「優しくしたら泣いてしまうよ?」と切ない心情を表現し、「After the Rainの曲を1曲、お借りしてきました」と紹介された「彗星列車のベルが鳴る」では、まふまふ、そらるのイメージカラーである白と青のペンライトが揺れ、絶景に感動の声を上げたまふまふが一人で歌いきった。

 終盤、忍びに扮したダンサーとともに瞬間移動のイリュージョンが披露された「忍びのすゝめ」とエンターテインメント性に溢れたステージが続く。「刻一刻と時間は過ぎて、いつの間にか陽が落ちてますね。もうすぐ夜が来ます。今日がはじめてのライブという方もいれば、何度も来てくれている人もいると思います。だけど今日、この大きな会場に、ひとつの場所に集えたことが嬉しいです」というMCを挟んで、代表曲のひとつ「夢のまた夢」へ。「歌える?」という声に誘われ、美しい旋律が高らかに響き渡るなか本編は終了した。 

 アンコールでまふまふは、なんと白い気球に乗って登場、「すーぱーぬこになれんかった」を歌いながら会場を1周。客性に向かって手を振り、しっかりとコミュニケーションを取る。さらに「僕は大好きな曲なんだけど、みんなは知ってるだろうか?」と「眠れる森のシンデレラ」、再びギターを持ち、切なさがたっぷり詰まった新曲の「それは恋の終わり」を披露した。

 ここでまふまふは、ゆっくりと話し始める。いじめられた日々は好きなロックバンドの曲を聴いて救われていたこと。見返してやろうと思い、曲を作り始めたこと。たくさんの辛い出来事を経験しながら音楽を続け、この日のライブを迎え、「声が裏返ってもいいから、全力でやってこいよ」とたくさんの友達が背中を押してくれたこと。「ここにはすべてを受け入れてくれるみんながいました。苦しい思いを数えきれないほどしてきたけど、流す涙がなくなるくらい泣いてきたけど、もう一度生まれ変わる日が来たら、僕に生まれ変わりたいです。ありがとう」という言葉に対し、会場は大きな拍手と歓声で包まれた。最後はド派手なライブアンセム「すーぱーぬこになりたい」。客席にバルーンが舞い、“にぼしコール”が巻き起こるなか、ライブはエンディングを迎えた。

 代表曲、人気曲をたっぷり披露し、豊かな音楽性と圧倒的なボーカル力をダイレクトに見せつけたまふまふ。10月16日にリリースされるニューアルバム『神楽色アーティファクト』への期待がさらに高まる、圧巻のステージだった。

Photo by 加藤千絵[ CAPS ]/ 小松陽祐[ ODD JOB ] / 新澤和久 / 堀卓朗[ ELENORE ]


◎公演情報
【ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~】
2019年6月22日(土)
埼玉・メットライフドーム
<セットリスト>
01. 輪廻転生
02. ベルセルク
03. 立ち入り禁止
04. ジグソーパズル
05. 君色々移り
06. サクリファイス
07. 恋と微炭酸ソーダ
08. 背景、桜舞い散るこの日に
09. 朧月
10. 夢花火~鏡花水月(アコースティックver.)
11. ナイティナイト
12. 廃墟の国のアリス
13. 曼珠沙華
14. とおせんぼう
15. 彗星列車のベルが鳴る
16. 水彩銀河のクロニクル
17. 忍びのすゝめ
18. 夢のまた夢
≪アンコール≫
19. すーぱーぬこになれんかった
20. 眠れる森のシンデレラ
21. それは恋の終わり
22. すーぱーぬこになりたい

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