2019/06/29 13:00
6月7日に発表された、ビルボードジャパンの2019年上半期チャート。ストリーミングチャートを見ると、ロングヒット曲が並ぶなか2019年に発売された曲では、King Gnu「白日」が最も上位を獲得している。
CDやダウンロードは売れた数量を示すが、ストリーミングは聴かれた回数を示す。なので特にストリーミングチャートでは、チャートインした期間が長い曲が上位にくる傾向が強く、2019年上半期では1位から100位のうち、集計期間(2018年11月26日から5月26日まで)より前にリリースされた曲は、69曲と実に7割近くとなった。
そんな中、King Gnu「白日」は上半期チャートで5位に。2019年2月22日に発売されたため、上半期チャートの集計期間はすでに半分が経過していたが、初登場15位を獲得すると翌週には2位を獲得。そのまま上半期チャート集計期間中6位以内をキープした。
チャートの動きを見てみると、3月4日付(2019/2/18~2019/2/24集計)チャートでダウンロード、ストリーミング、ラジオのポイントにより初登場9位に。2月22日に出演した『ミュージックステーション』では同日発売の「白日」を演奏するのかと思いきや、1月にリリースしたアルバムのリード曲「Slumberland」を披露。登場シーンが話題となり、一時Twitterでトレンド入りをするなどSNSを中心に注目が集まった。そしてリリースの翌週となる2月28日に動画を公開。動画の拡散によって、ライト層へ浸透し、ストリーミングが伸び続けるという相乗効果を見せた。その後、ドラマの放送が終了すると一度、落ち着きを見せるも、2度目の『ミュージックステーション』の出演で「白日」を披露したことが影響し、5月6日付チャート(2019年4月22日~2019年4月28日集計)でダウンロードとTwitterが再浮上。それらの話題を通じて幅広い層に訴求したことで、その翌週に動画再生数が浮上し、あわせてストリーミング数も増加するという動きを見せた。さらに5月13日付チャート(2019年4月29日~2019年5月5日集計)からは、カラオケも急伸。ストリーミング、動画、ダウンロード、カラオケといった複数の楽しみ方で、「白日」が浸透していることが分かった。
今年2月にレコード協会が発表した2018年音楽配信売上実績によると、ダウンロードは256億円、ストリーミングは349億円と、初めてストリーミングがダウンロードの売上を超えたことが分かっている。そして様々なアーティストがストリーミングに楽曲を解禁しているように、日本も今後、ストリーミングが音楽市場の中心となっていくだろう。ただリスナーは、ストリーミングサービスだけを使うわけではなく、テレビ番組、動画、ダウンロードなど複数のメディアを通じて音楽を視聴している。ストリーミングを軸に、様々な視聴動向によって2019年上半期に急上昇したKing Gnu「白日」。さらに、これからの季節で増加するイベントやフェス出演は、チャートにどのような影響を与えるのか。引き続き動向を見守りたい。
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