2019/06/16 20:00
あいみょんを筆頭に、サブスクリプション型の音楽ストリーミングサービスが広まったことで、新しいタイプのアーティストや楽曲が続々と登場している。もはや、ストリーミングによる音楽配信はアーティストにとっても避けられない現状となりつつある。
そんな中で、ストリーミングに解禁していないアーティストも多数いることは事実だ。サザンオールスターズや山下達郎などのベテラン系はまだまだストリーミングでは聴けないし、ジャニーズ系などは配信がないことでフィジカルのCDのポテンシャルがあるわけだが、どれが正解かはその特性によって違うだろう。こういった状況で最もその動向に注目されているのが、米津玄師だ。彼は配信世代に登場したスターではあるが、ダウンロード販売は行うものの、ストリーミングには未だ解禁していない。先日リリースされた新曲「海の幽霊」は、フィジカルもストリーミングもなく、ダウンロードのポイントによって今週1位を獲得した(【表1】)。
これほどの人気であれば、ストリーミングに解禁されたら、大きな衝撃となることが予想される。その理由は、YouTubeの再生回数のすごさだ。「海の幽霊」もリリースより一足先の5月27日にミュージックビデオが公開されたが、すでに2千万回以上もの再生数となっている。彼のこれまでの楽曲は、すでに1億回超えが7曲もあり、その仲間入りをするのもそれほど遠くはないだろう。いずれも映像の力によるところは大きいが、そこにはやはり楽曲そのものの力あってこそ。よって、ストリーミングでも音源が聴けるようになったなら、同じような状況となることだろう。
こういった予想を少し垣間見れるのが、今週2位となった菅田将暉の「まちがいさがし」かもしれない(【表2】)。ご存じの通りこの曲も米津玄師がプロデュースをしているが、こちらは各種音楽ストリーミングサービスで聴くことができる。ダウンロー
ドやYouTubeの再生数に加え、ストリーミング回数のポイントも大きい。このように複合的に聴かれることは、彼に限らず重要だ。米津玄師がそのあたりをメリット感じるのか、それともこのままストリーミングとは距離を置くのか。今後もその動向に注目しておきたい。text:栗本斉
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