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2019/06/10

【米ビルボード・アルバム・チャート】トーマス・レット2作連続首位、マイリー・サイラス新作5位初登場(6/14訂正)

 米ジョージア州出身のカントリー・シンガー、トーマス・レットの新作『センター・ポイント・ロード』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2012年にシングル「サムシング・トゥ・ドゥ・ウィズ・マイ・ハンズ」でデビュー。翌2013年に発表した1stアルバム『イット・ゴーズ・ライク・ディス』が、同チャート6位、カントリー・アルバム・チャートでは2位の大ヒットを記録し、カントリー・ソング・チャートでは計13曲のTOP10ヒットを輩出するなど、順調にキャリアを積み重ねてきたトーマス・レット。本作『センター・ポイント・ロード』は、通算4作目となるスタジオ・アルバムで、首位獲得は前作『ライフ・チェンジズ』(2017年)に続く2作目。TOP10入りは、最高6位を記録した2ndアルバム『タングルド・アップ』含む4作連続となる。

 2019年度(2018年12月~2019年11月迄)のチャート集計から6か月が経過したが、カントリー・アルバムが同チャートで1位に初登場するのは、本作『センター・ポイント・ロード』が初の快挙で、2018年11月24日付チャートで首位に輝いたケーン・ブラウンの『エクスペリメント』以来、およそ半年ぶりとなる。アルバムからは、先行シングル「ルック・ホワット・ゴッド・ゲイヴ・ハー」がカントリー・ソング・チャートで4位まで上昇し、アルバムのプロモーションに繋げた。

 本作の初動ユニットは76,000で、そのうちアルバムの売上枚数が45,000枚、ストリーミングによるユニット数は3万強だった。過去に上位デビューしたカントリー・アルバムの傾向からみると、セールスとストリーミングによるポイントとの割合が対等というのは、珍しいケースといえる。そのストリーミングでは、週間3,359万視聴を記録し、カントリー・アルバムとしては歴代最大の初動視聴回数を記録した。

 先週2度目の返り咲き首位獲得を果たした、ビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』は2位にダウンしたが、前週の62,000から63,000に、若干数ではあるがユニットを上昇させている。先週のソング・チャート(6月8日付) では、本作からのシングル「バッド・ガイ」が2位まで上昇し、シングル曲としては自己最高位を更新。この曲のヒットもあり、アルバムも安定したユニット数を維持した。その前週のソング・チャートで3位にランクアップしたカリードの「トーク」も、同曲のヒットを受けてアルバム『フリー・スピリット』が5位から4位に再浮上している(週間38,000ユニット)。

 今週5位に初登場したのは、マイリー・サイラスの新EP盤『シー・イズ・カミング』。週間ユニットは36,000で、そのうちアルバムの売上が12,000枚、ストリーミングによるユニット数は2万強だった。本作は全6曲入りのミニ・アルバムで、曲数からみるとストリーミングによるユニット数、EP盤としての初登場順位も比較的高い。本作は、今年リリース予定の7thアルバム『シー・イズ・マイリー・サイラス』に繋ぐ3部作のうちの1枚で、本作のリリースまでに残り2枚のEP盤が発売される予定。こういったプロジェクトは、ジョン・メイヤーやジェイソン・ムラーズ等も過去に組み、成功させている。マイリ―・サイラス名義でのTOP10入りは9作目で、ハンナ・モンタナの作品を含めると通算12作目となる。

 5月31日に公開された伝記映画『ロケットマン』の反響を受け、エルトン・ジョンのベスト盤『ダイアモンズ~グレイテスト・ヒッツ』が前週の23位から7位にTOP10入りを果たした。本作は2017年にリリースされたベスト・アルバムで、全米では今週記録した7位が最高位となる(週間ユニットは32,000)。映画も高く評価され、北米での週末映画興行収入では10億円を突破しTOP3入りを果たした。クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』に次ぐヒットも期待できるかもしれない。同映画は、8月23日に日本公開予定。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、6月14日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『センター・ポイント・ロード』トーマス・レット
2位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
3位『ファーザー・オブ・アサド』DJキャレド
4位『フリー・スピリット』カリード
5位『シー・イズ・カミング』マイリー・サイラス
6位『IGOR』タイラー・ザ・クリエイター
7位『ダイアモンズ~グレイテスト・ヒッツ』エルトン・ジョン
8位『ベイビー・オン・ベイビー』ダ・ベイビー
9位『アラジン』サウンドトラック
10位『thank u, next』アリアナ・グランデ

※記事初出時、文章に一部誤りがございました。訂正してお詫び致します。

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