2019/06/08
ビルボードジャパンの2019年上半期ランキングが発表された。Hot100では米津玄師の「Lemon」、Hot Albumsでは星野源の『POP VIRUS』、そして、Top Artistではあいみょんという結果になった。
あいみょんの活躍ぶりに関しては、言うまでもないだろう。上半期の上位100曲の中に、なんと31曲もランクイン。昨年8月にリリースしたシングル「マリーゴールド」は、まもなく1年経とうとしているのに今週もTop100の5位という結果で、おそるべきロングセールスぶりを見せている(【表1】)。しかし、あいみょんは全てにおいて完璧なわけではない。上半期を指標別に見ると、ストリーミングではダントツの1位だが、フィジカルのCDセールスのポイントは18位。実際、「マリーゴールド」でさえ、CDに関しては最高位が10位といえば意外に感じるだろう。その反面、ストリーミングは1年近くベスト5に君臨し続けている。いわば、ストリーミング時代ならではのアーティストであるのがわかる。
一方、米津玄師はこういったストリーミングの流れとは一歩置き、いまだ自身の楽曲を解禁していない。しかし、「Lemon」に関しては今週もTop100で7位をキープ(【表2】)。この曲も昨年3月リリースなので、その息の長さには驚かされる。では、ストリーミングもないのになぜそこまで長く売れるのかというと、完全にダウンロードによるものだ。ダウンロードに関しては、リリースから70週以上もの間ベスト10内にとどまっている。気軽に聴けるストリーミングに比べると、ダウンロードはひと手間かかるわけで、そのことを考えるとモンスター・ヒットであることがよくわかる。なお、星野源に関してもプレイリスト型のストリーミングでしか解禁されていないため、同じようなチャートアクションを見せている。フィジカルやダウンロードでしか聴けないのは、彼らにとってはハンディではなく利点となっているのだ。
ストリーミング解禁していないアーティストは他にも多数いるが、それまで様子を見ていた大物アーティストもこの1年でずいぶん参入してきた。そういった意味では、今年後半以降は、ストリーミングとどう向き合うのががそれぞれのアーティストにとって大きな分岐点になりそうだ。米津玄師や星野源のようなアーティストがストリーミングに参入するのか、また、あいみょんなどストリーミングに強いアーティストがどこまでチャートを賑わすのか。今年後半もチャートに注目していただきたい。text:栗本斉
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