2019/05/30
2019年5月28日に【ピューリッツァー賞】授賞式が米ニューヨークで開催され、故アレサ・フランクリンに<特別賞>(Special Citation)が授与された。当日のランチョンでトリビュート・パフォーマンスを披露し、会場を沸かせた女優で歌手のジェニファー・ハドソンが、実は危うく式に間に合わなかったかもしれなかった経緯をAP通信に明かしている。
ハドソンは授賞式前日の27日に、米シカゴからニューヨークへ飛行機で移動する予定だったが、悪天候のためフライトが欠航になってしまった。一瞬途方に暮れた彼女だったが、すぐに“クイーン・オブ・ソウル”の魂を感じて気を取り直し、何と13時間も運転して式に間に合わせたそうだ。実はアレサ・フランクリンは生前飛行機が苦手で、コンサートやイベントにはツアー・バスを使って移動していた。
飛行機が飛ばないと知った時の心境についてハドソンはAP通信に対し、「顔を上げて思ったの、“これはまるでアレサの魂が私に入っているみたいじゃない。彼女は飛行機を信用していなかった。彼女だったら運転する”って」と語り、「時間に間に合ったわ、5分前に到着した。歌うためよ、だって絶対に欠席なんてしたくなかったもの。“歩いてでも這ってでも絶対に間に合わせてやる”って自分に言い聞かせてた。そしてこうやってここにいる。だから心に残る(体験になった)」と明かしている。
【アカデミー賞】と【グラミー賞】を受賞しているハドソンは、製作が発表されているアレサの伝記映画で主演を務める予定だが、生前にアレサ本人から直々に自身を演じるよう要請されたそうだ。「“はい、準備はできています。自分が持っているすべてを出し切ります”って伝えたのよ。だからここに来るために昨夜ロード・トリップをしなければならなかった。やるって言ったからにはやるんだから」と彼女は語っている。
「彼女はいつも自分と一緒にいてくれているような気がするの。いつも自分の中にいてもらって、彼女に満足してもらえるように先頭に立つようにしている」という彼女は、その言葉どおりにアレサの魂と歌唱力を体現するかのように「アメイジング・グレイス」を堂々と歌い上げた。ハドソンの熱のこもったパフォーマンスは授賞式会場を教会のような空気に変え、集まったジャーナリストたちを総立ちにした。
アレサ・フランクリンは、2018年8月に76歳で死去した。【ピューリッツァー賞】<特別賞>は、必要に応じて時折授与される賞で、アレサは“50年以上にわたる、アメリカの音楽と文化への消せない貢献”が評価され、1930年に初めて<特別賞>が授与されてから初の個人女性としての受賞者となった。授賞式ではアレサの家族の代理として、コラボレーターで友人のクライヴ・デイヴィスと、長年の広報担当者グウェンドリン・クインが賞を受け取った。
◎パフォーマンス映像
https://youtu.be/L1UGCY5Sork
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像