2019/05/04 17:44
クァルテット ベルリン・トウキョウが5月3日に開始した【ラ・フォル・ジュルネTOKYO】に登場、細川俊夫「開花」とバルトーク、そして幸松肇による弦楽四重奏のための「ソーラン節」というプログラムで客席を圧倒した。
2011年に結成したクァルテット ベルリン・トウキョウは、ヴァイオリンの守屋剛志、ディミトリ・パヴロフ、ヴィオラのグレゴール・フラーバー、チェロの松本留衣子をメンバーとし、現在ベルリンを拠点にしながら、札幌・六花亭ふきのとうホールとベルリン十字教会のレジデンスとしても活動している。数々の国際コンクールにて多数受賞、ヨーロッパ各地の音楽祭に出演するなど、その実力は既に折り紙付きだ。
2014年より毎年日本ツアーを行っているため、既にファンも多いこのカルテットがラ・フォル・ジュルネに登場。室内楽を聴くのに最適かつ贅沢とも言える、小ぶりの客席の会場『ラ・ペルーズ』は、あっという間に満席になってしまった。
1曲目は細川俊夫の「開花」。ブレを感じさせない、ひとつの“音”から始まるこの曲は、この音の描く線を水面として、その下の音は水中、更に低音は泥の中と音域の色が定められ、蓮の開花を描くという。クァルテット ベルリン・トウキョウと細川俊夫との関係の強さは、ホームページでのプロフィールページに細川からの評を掲載しており、またこれまで各地で演奏していることからも、お互いへの絶大な信頼を感じられる。
音の連なりと響きの振動数のヴァリエーションを紡ぎ出す、正確さと繊細さとに満ちたクァルテット ベルリン・トウキョウの演奏は、カルテットという音楽ジャンルの枠を超え、「奥行き」という言葉では表しきれない、「近さ」「遠さ」「浅さ」「深さ」という距離感を、今まさに眼前に展開するものであり、次々と空間が迫ってくるスリリングで生々しい体験を提供してくれるものであった。
2曲目に配されたバルトークの弦楽四重奏曲第2番は、ハンガリーやルーマニアの民族音楽、アラブの音楽から示唆を得た作品。そして最後は日本人には親しみ深い「ソーラン節」の、オシャレなカルテットヴァージョンというプログラム。音楽祭LFJの今回のテーマ『旅から生まれた音楽』と重ね合わせ、アジアの大陸の風景から東ヨーロッパ諸国への旅路が感じられる選曲となった。
クァルテット ベルリン・トウキョウのラ・フォル・ジュルネ公演は本公演のみだったが、札幌・ふきのとうホールでのレジデンス期間は2021年までとなっており、来日公演の機会は期待できそうだ。本公演でファンになった人も、聞き逃した人も、このエキサイティングな響きを堪能しに行ってみてはどうだろう。text:yokano
◎公演情報
2019年5月3日 (金・祝) 22:15 ~ 23:00
東京国際フォーラム ホールG409:ラ・ペルーズ
<演奏曲目>
細川俊夫:開花
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 op.17
幸松肇編:弦楽四重奏のための日本民謡 第1番 ソーラン節
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