2019/04/16
アメリカ・アラバマ出身のソウル・ロック・バンド、セント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズの初来日公演が4月15日、ビルボードライブ大阪で行われた。
フロントマンのポール・ジェーンウェイと、ベースのジェシー・フィリップスを中心に、2012年に結成された彼らは、デビュー作『Half The City』を名刺代わりに【コーチェラ】、【グラストンベリー】といった大型フェスへの出演、ローリング・ストーンズのツアーの前座参加などライヴの場数を踏み、ライブバンドとして欧米で高い評価を獲得して来ている。昨年2018年には3作目となる新作『Young Sick Camellia』をリリースし、先日4月3日には日本国内版もリリースされた。
今作ではケンドリック・ラマー「Now Or Never」、アリシア・キーズ「Teenage Love Affair」、シーロー・グリーン「The Lady Killer」などを手掛けるプロデューサー=ジャック・スプラッシュと共に、これまでのソウル・テイストを基軸に、更に洗練されたロックサウンドを提示し、話題となっている。
アルバムを発表以来、既にアメリカ国内外で数多くのツアーを経ている彼ら。初めての日本でのステージを見届けようと、フロアには多くのファンが詰めかけていた。
メンバーがステージに登場し、まずはギターのブローワン・ロラーがエッジの効いたリフを刻み始める。そこに重なるリズム、そしてホーンセクション。始まりのビートにのって、フロントマンのポール・ジェーンウェイがステージに姿を現した。スパンコールがあしらわれたマントを翻し、高々と手を掲げると、フロアから大きな歓声が沸き起こる。
アップなビートに重なるダイナミックなサウンドにのせ、ファンキーでパワフルな歌声を響かせつつ、メロウなナンバーでは愁いを帯びたロングトーンで観衆を魅了するポール。そして彼の歌声の魅力を余すところなく引き出す鉄壁のバンドサウンドは、数々のツアーやフェスで培われたライブバンドならでは。近年ではアラバマ・シェイクスに代表されるサザン・ソウルの系譜は感じさせつつ、よりオルタナティブにアップデートしたサウンド、まさにソウル・ロックの最新形態がそこにあった。
終盤ではフロア中央に降り立ち、コール・アンド・レスポンスを求めつつ、高らかに歌い上げるポール。その存在感、歌唱力に見入られたかのように、息を呑み見守るオーディエンス。日本での初めてのステージは、圧倒的なパフォーマンスで会場を魅了し、大歓声の中幕を閉じた。尚、本日はビルボードライブ東京でも公演が行われる。往年のサザン・ロックファンのみならず、幅広い音楽ファンの注目を浴びている彼らの初来日を、ぜひお見逃しなく。また今回の公演ではオリジナル・コースターでドリンクがサーブされている。そちらも併せてチェックしていただきたい。
Photo by Kenju Uyama
Text by 杉本ゆかり
2019年4月16日(火)
ビルボードライブ東京
1st ステージ 開場17:30 開演18:30
2nd ステージ 開場20:30 開演21:30
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