2019/03/30
今週のHot100も、1位の祭nine.を筆頭に新曲が続々とチャートインし、混戦状態ではあるが、不動のロングセールス組も検討中だ。なかでもあいみょんの「マリーゴールド」(【表1】)と、米津玄師の「Lemon」(【表2】)の強さは圧倒的。それぞれ2位、4位となっており、昨年リリースの楽曲とは思えないほどの勢いが残っている。
ただ、どちらも特性が違うので同じようにヒットしているわけではない。「マリーゴールド」はストリーミングでの強さが圧倒的だ。ダウンロードもリリース当初に比べると、じわじわと上昇しているが、やはりストリーミングで聴かれている楽曲というイメージが強い。フィジカルのCDに関しては、20位以内にもエントリーしたことがないのだ。一方の「Lemon」はストリーミングを行っていないこともあり、ダウンロードでのポイントがメイン。だから、どういうリリース形態を行えばヒットしやすいかというのは、一概にはいえず、アーティストや楽曲ごとに異なるとしかいいようがない。
しかし、こういったロングセールスに共通する点は多数ある。まず、粘り強く何度も話題性を作り、ラジオやツイッターなどのポイントを上手くチャートに反映させていること。もちろんヒットしたからこそ話題性も継続できるのだが、そこを意識するだけでも息の長いヒットが生まれる可能性が高い。そして、動画再生数のポイントが高いことも大きい。これもまた、映像を観ることだけが目的ではなく、ストリーミングと同じような感覚で聴かれていることが想像できる。加えて、カラオケのポイントも高く、極端に言えば、YouTubeで動画を観てカラオケで歌ってもらうことができさえすれば、ヒット曲は生まれるということ。戦略次第では、どんな形態でもチャートを上昇することは可能なのである。Text:栗本斉
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