2010/03/15 00:00
ボストンのラッパー、SAM ADAMSにとってこの一ヶ月は浮き沈みが激しかった。
彼のデビュー・アルバム『BOSTON’S BOY』は今週8,000件に満たないダウンロードながらiチューンズ・ヒップホップ・デジタル・アルバム・チャートで初登場1位を記録した。しかし、そんなシンデレラ・ストーリーは、話題作りのためにそのセールスのほとんどを本人がまかなっていたのかもしれないという噂が広まったため、すぐにしぼん
でしまった。
セールス・チャートを当事者が操作し、1位の座を射止めることで新人に注目を集める、というのはこれが初めてではないだろう。
しかし、彼に対する非難を裏付けるような証拠は今のところ出ていない。第一に、サウンドスキャンのデータによると、彼のセールスの22パーセントはボストン地区からのものだが、彼がその地域の出身で、最大のファンベースがそこにあるということを思えば驚くには当たらない。セールスの18パーセントはニューヨークで、それ以外はフィラデルフィア、LA、ワシントンDC、シカゴなど100カ所以上のマーケットで、いずれも5%以下の売り上げにとどまる。
さらに、ひとつのアカウントから大量の歌を買い付けて、そのすべてをiチューンズのチャートにカウントさせることは不可能だ。アップルはいずれのチャートでもアカウントごとに1セールスしかカウントしない方針だからだ。
これがやらせだと最初に書いたのはボストンのヒップホップ・ブログのJUMP THE TURNSTYLEだが、こうした事態からすでにその記事を引っ込めてしまった。また、ADAMSはプレスリリースの中で「オレのアルバムがiチューンズで1位になったことに関して論争が起こっていることは知っている。その数字は合法的なものだとオレは返答したいね。すべて音楽を買いたいと思ったファンが購入してくれたものだよ。実に単純な話さ。売られているものが素晴らしくて、それが口コミで広がれば、自然と売れるものなのさ」
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