2019/03/19 12:30
アリアナ・グランデの「7 rings」がトップに返り咲いた、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週、No.1デビューを果たしたジョナス・ブラザーズの登場により、2位にダウンした同曲だが、依然ストリーミングが強く、高視聴回数をキープして通算6週目の1位復帰となった。週間視聴回数は3,690万回で、ストリーミング・チャートでは7週目のNo.1獲得を果たしている。エアプレイも好調で、週間8,840万回を記録し4位から3位へ、TOP3にランクインした。
2018年は、ドレイクの快挙によりラップ勢が34週間のNo.1を独占したことが話題となったが、9月29日付チャートでマルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」が首位に到達して以降、2週を除く24週間をポップ・ソングが独占するという、対照的なチャート・アクションをみせている。とはいえ、その「ガールズ・ライク・ユー」にはフィーメール・ラッパーのカーディ・Bが参加していたり、「7 rings」もトラップ(ヒップホップのジャンル)を取り入れた曲だったりと、その境界線は極めて曖昧。ただ、流行が変化しつつあることは確かだろう。
今年に入って、唯一ヒップホップ勢でNo.1を獲得したポスト・マローン&スウェイ・リーの「サンフラワー」は、先週の4位から2位に上昇し、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートではいずれも10週目の首位獲得を果たしている。ポスト・マローンは、昨年末にリリースした新曲「Wow.」も、先週の7位から5位にランクアップさせ、TOP5に2曲を送り込む快挙を達成している。
ポスト・マローンのTOP5入りは、通算5曲目。今週ランクアップしたのは、この曲に合わせて踊る年配男性のインスタ動画が話題となり、セールスを伸ばしたため。23,000ダウンロードを記録し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは前週の8位から3位まで上昇した。3月15日にロディ・リッチとタイガをフィーチャーしたリミックスがリリースされ、次週はさらなるランクアップが見込める。ドレイクの「イン・マイ・フィーリング」のような現象が起きれば、No.1獲得も十分あり得るだろう。
2019年度(2018年12月1日~)に入ってNo.1を獲得した、もう1曲のヒップホップ・ソング=トラヴィス・スコットの「シッコ・モード」は、今週も10位を維持し、通算32週目のTOP10入りを果たしている。この記録は、リアン・ライムスの「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」(1997年)と、ザ・チェインスモーカーズの「クローサーfeat.ホールジー」(2016年)と並ぶ、TOP10滞在週歴代2位の快挙で、次週キープすることができれば、エド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」(2017年)と、マルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.ガーディ・B」が記録した33週に並ぶ、歴代最高記録タイに浮上する。
先週、自身初の全米No.1獲得を果たしたジョナス・ブラザーズの「サッカー」は、今週6位まで転落。一時的に高セールスを獲得したタイトルは、ストリーミングやラジオが弱いと翌週一気にランクダウンする傾向にある。2週前にアワード効果でNo.1に到達した、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの「シャロウ」も、今週は9位まで順位を落としている。ただ、「サッカー」はエアプレイ・チャートで46位から27位に大きくランクアップしているため、ラジオで火が付けば今後TOP10をキープできる可能性も高い。
TOP10入り目前となっているのが、米LAの新人ラッパー=ブルー・フェイスの「Thotiana」。2月に入ってから順当にランキングを駆け上がり、今週遂に11位まで到達した。YGをフィーチャーしたリミックスの反響も落ち着き、ストリーミングも若干ダウンしてはいるが、TOP10内のタイトルもそれぞれ勢いを落としているため、いずれかと交代し、繰り上がりの初ランクインを果たすことが予想される。
今週のアルバム・チャートで自身初のNo.1デビューを果たした、ジュース・ワールドの新作『デス・レース・フォー・ラヴ』からは、27位に上昇した先行シングル「ロバリー」他、計6曲がランクインを果たした。なお、前作からのシングル「ルーシッド・ドリームス」も37位に粘り強く居座っている。同アルバム・チャートで4位に初登場した、女性カントリー・シンガー=マレン・モリスの新作『ガール』からは、タイトル曲が61位にデビューしている。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、3月22日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「7 rings」アリアナ・グランデ
2位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
3位「ウィズアウト・ミー」ホールジー
4位「プリーズ・ミー」カーディ・B&ブルーノ・マーズ
5位「Wow.」ポスト・マローン
6位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
7位「ハピアー」マシュメロ&バスティル
8位「ミドル・チャイルド」J.コール
9位「シャロウ」レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパー
10位「シッコ・モード」トラヴィス・スコット
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