2019/02/28
2019年3月15日より全国公開となる映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』。その音楽を手掛けたポスト・クラシカルの巨匠、マックス・リヒターと映画の監督を務めたのジョージー・ルークの対談映像が公開された。映像内で二人は、本作のサウンドトラックが構築された経緯について語っている。
英国の有名劇場の演出家として活躍しているルーク監督が、本作に求めたのは多様性。メアリー・スチュアートは舞台やオペラなどで親しまれてきた題材で、これまでは白人が演じることが多かった役に、演技力を重視したうえでアジア系のジェンマ・チャンや、アフリカ系のエイドリアン・レスターを起用した。
さらに女性にとって風当たりの強い時代を描くことで、現代の男女の在り方を問いかける。そんな監督の意図を汲み、リヒターは「時代劇だけど今に通じるものがある。そのおかげで音楽の幅も広がったと思う。僕の愛するルネサンス音楽と現代らしさを融合させた」と本作に音をのせるうえで大切にしたことを語った。
さらに、本編の重要なシーンに何度も登場するメイン・テーマ「ニュー・ジェネレーション」のアレンジについては、「冒頭のドラム音で、どんな物語か理解できる。とても興味深い作業だった。昔の音楽を再
現したわけではないのに当時の雰囲気が感じられるはずだ」とコメント。構想の中で意図せずして生まれた音色に「あの音楽ができた瞬間“うまくいく”と思えた」とも語っている。
映像内ではさらに、実際に映画をモニターで観ながら指揮し、オーケストラが「ニュー・ジェネレーション」を演奏する貴重なレコーディング風景も見ることができる。
『女神の見えざる手』の映画音楽、『シャッター・アイランド』や『メッセージ』のテーマ曲としても使用された「On the Nature of Daylight」などでも知られ、近年は振付師ウェイン・マクレガーとタッグを組み、英国ロイヤル・バレエの『インフラ』や『ウルフ・ワークス』など話題作を手掛けるマックス・リヒターは、3月に東京・すみだトリフォニーホールで開催される【すみだ平和祈念音楽祭2019】に出演するため、15年ぶりの来日を果たすことも決定。平和への願いを音楽にのせて世界に発信するというコンセプトに賛同したリヒターの主要作を網羅する【マックス・リヒター・プロジェクト】は、3月2日、5日、9日の3日間開催される
◎マックス・リヒター&ジョージー・ルーク対談『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
https://youtu.be/w9eBxt8Omzc
◎公開情報
映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
2019年3月15日(金)全国ロードショー
(c)2018 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像