2019/02/04
京都を拠点に活動するインストゥルメンタル・バンドjizueがビルボードライブ大阪に登場。今回は昨年7月に発表したアルバム『ROOM』にボーカルとして参加した元ちとせ、さらにストリングスをゲストに迎えたスペシャルなステージとなった。
オープニングはjizue4人でのステージからスタート。片木(Pf)がグランドピアノの前に座り、ゆっくりと旋律を奏で始める。粉川(Dr)が打ち鳴らす規則正しいリムの音に重なるバンドサウンド。穏やかに織り成される音の波は、満ち引きを繰り返しながら、次第に大きなうねりを帯びて、会場を包み込んでいく。普段彼らが活動するライブハウスでの演奏とは一味違う、ムーディなパフォーマンス、構成に新たなjizueの魅力を垣間見たファンも多いことだろう。MCでは「音が透き通っているみたい」と話す井上(Gt)の言葉に頷く山田(Ba)。メンバーもまたライブハウスとは違った音の響きを楽しんでいる様子だった。
ライブでの定番曲や代表曲、カバーなど盛り込んだセットリストを経て、中盤でいよいよゲストが登場。彼らとも親交のあるチーナフィルハーモニックオーケストラからバイオリンとコントラバス、そして奄美出身の歌姫・元ちとせがステージに降り立った。ストリングスが加わり、更に叙情感を帯びたサウンドに重なる、圧倒的な歌声。全身で歌を紡ぐその姿に、会場が魅了された。奄美大島は既に桜が咲いているそうで、「冬を追いかけてきました」と話す元を交え、和やかなMCを挟みつつ、お馴染みのヒット曲、コラボレーションナンバーなどが演奏された。ちなみに今回の公演では元ちとせがゲストボーカルで参加した楽曲「Sing-la」の名前を冠したオリジナルカクテルが登場しているので、ぜひチェックして欲しい。
後半はストリングスを交えた7人編成でのステージ。弦楽の奏でる耽美で優雅な音色が、jizueのバンドサウンドに更なる色彩を加えていた。終盤は再び4人でのパフォーマンス。エッジの効いた勢いのあるサウンドが、一気に会場を呑み込んでいく。最後の一音が鳴り止んだ瞬間、大きな拍手と歓声が沸き起こった。
アンコールでは、翌日が粉川(Dr)の誕生日ということで、バースデー・ソングの大合唱も。メンバー同士の仲の良さの伝わるMCに会場中から笑いが沸き起こった。
ラストは、この4人で最初に作り上げたという1曲を披露。情感豊かな旋律が、まだ見ぬ春の気配を呼び寄せる。立春を前に、一足早く春の息吹を感じたかのような時間だった。
Txet by 杉本ゆかり
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【jizue Guest 元ちとせ】
ビルボードライブ大阪
2019年2月2日(土)※終了
ビルボードライブ東京
2019年2月4日(月)
詳細:http://www.billboard-live.com/
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