2019/01/24
今年からスタートした新しい音楽イベント【ROCK AX】の2日目の公演が、2019年1月23日に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて行われ、雨のパレード、King Gnu、SPECIAL OTHERSの3組のミュージシャンが出演した。
1組目は雨のパレード。4人編成のバンドではあるのだが、一般的なバンド・サウンドとは一線を画す。ボーカルの福永浩平がMCで「今日は一音一音、楽しんでいってね」と語ったように、彼らの出す“一音一音”が一瞬たりとも聴き逃がせない。ロック、ポップ・ミュージック、R&B、ヒップ・ホップ、アンビエントにミニマルな現代音楽とあらゆるエッセンスを貪欲に取り込みながら独自に昇華させていく。そこにウィスパー・ボイスからソウルフル、ハイトーンへと変化自在のボーカルがたゆたうように被さる。濃厚な45分のステージであったが、彼らは、さらなる高みを見ている。最後に「僕らは、もっとかっこよくなるんで、また来てね」と残しステージを降りた。なお、この日のライブを最後にベーシストの是永亮祐がバンドを脱退した。
続いて、は1月16日にメジャー・ファースト・アルバムをリリースしたばかりのKing Gnu。常田大希と井口理が畳み込むようにボーカルを重ねていく鮮やかなオープニング「Flash!!!」で幕を開けた。2曲目の「Tokyo Rendez-vous」で常田は拡声器マイクで煽るように歌い、60年代の学生運動かと見紛うばかりのアジテーションで客席を煽っていく。ドラムとベースはヘヴィでタフなリズムを刻み、爆音のギターが重ねっていく。ひたすら「攻め」のサウンドではあるのだが、ここに東京藝大で声楽を学んだ井口の高音ボイスが載っかる。これが違和感なく溶け込んでいるのが従来のミクスチャー・バンドになかった彼らの独壇場。曲ごとにソウル/R&B、ファンク、ディスコ・ミュージックと様々なテイストを散りばめ、時には常田と井口が美しいハーモニーすら聴かせるが、骨太のリズム隊がずっしりと支え、会場を揺らし続けるさまは圧巻の一言。終始、轟音の積載で45分間を疾走した。
トリを飾るのは、結成20年超のジャム・バンド、SPECIAL OTHERS。ゆっくりと各自のポジションに着いた4人のメンバー、先ずは確かめるかのように自由に音を出し始める。やがて、それらがひとつに収束し、気がつけば1曲目の「I'LL BE BACK」に。続く「BEN」は15分を超える長尺のナンバー。彼らの編成はセミアコのギター、アップライト・ベース、ドラムにキーボード。この4つの楽器から出る音のみの演奏なのだが、そんな事は微塵も感じさせない多彩な音が次々と積み重ねられていく。当初、どう応じていいか、戸惑っていたオーディエンスも、いつの間にか彼らの出す音に身を委ねるように聴き入る。MCで「みんな帰るかと心配してたけど(笑)。残ってくれてありがとう!」と遠慮がちに話していた彼らだが、演奏力の高さと独特のグルーヴでグイグイと惹きつけていく。最後はオーディエンス全員を揺らした力量はさすがの貫禄。まさに【ROCK AX】の「今、目撃するべき本物のライブ!」を体験させた。
なお、この日の模様は、3月8日深夜に日本テレビで、3月31日夜にCS日テレプラスで放送される。
また、【ROCK AX Vol.2】の開催も決定。4月18日と19日の2日間、同じTOKYO DOME CITY HALLで開かれる。
PHOTO:山内洋枝
◎セットリスト
【ROCK AX】DAY2
2019年1月23日(水)TOKYO DOME CITY HALL
▼雨のパレード
01. Reason of Black Color
02. Tokyo
03. new place
04. (No Title)
05. 1969
06. epoch
07.Count me out
▼King Gnu
01. Flash!!!
02. Tokyo Rendez-vous
03. McDonald Romance
04. It's a small world
05. Slumberland
06.あなたは蜃気楼
07. ロウラブ
08.NIGHT POOLl
09. Prayer X
10. Vinyl
▼SPECIAL OTHERS
01. I'LL BE BACK
02. BEN
03. IDOL
04. Good Luck
◎放送情報
『ROCK AX』
日本テレビ:3月8日(金)25:59~26:59
CS日テレプラス:3月30日(土)21:00~(1/22公演)/3月31日(日)21:00~(1/23公演)
※放送時間は変更になる場合もございます。
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