2019/01/13
1月14日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、米津玄師『Lemon』が24,090枚を売り上げ2位を獲得した(集計期間2019年12月31日~2019年1月6日)。
米津玄師『Lemon』は2018年3月14日に発売されたたメジャー8枚目のシングルである。リリース後ダウンロードを中心に大ヒットとなりBillboard JAPANの年間チャートでも"Hot 100"、"Download Songs"で1位を獲得した。また、年末のNHK紅白歌合戦に出演し「Lemon」を歌唱し、大きな反響を呼ぶ結果となり、年始である本集計期間に前週7,227枚から実に16,863枚増・比率では3.3倍も売り上げを伸ばした。この様に年末の音楽番組に出演し、話題となったアーティストのセールス動向をSoundScanJapanの販売データを使用し調査してみた。
まず、集計期間内の“Top Singles Sales”のランキングトップ30の中で、前週より売り上げを伸ばしたタイトルは半数にせまる下記13タイトルであった。通常であれば、シングルセールスランキングの上位は新譜で占められ、枚数を増やした旧譜はとても少ないのだが、例年年末年始は一年の総括的な音楽番組(紅白歌合戦や日本レコード大賞)で話題になった楽曲が販売枚数を伸ばす傾向にあり、今年もやはり前週より売り上げを伸ばす旧譜が多い傾向が見てとれる。
◎Billboard JAPAN Top Singles Sales30位以内で前週より販売枚数を伸ばしたシングルを抜粋(かっこ内は前週売り上げ枚数)
2位『Lemon』米津玄師 24,090枚(7,227枚) 18/03/14発売
7位『Flamingo/TEENAGE RIOT』米津玄師 4,712枚(3,386枚) 18/10/31発売
8位『U.S.A.』DA PUMP 4,629枚(3,524枚) 18/06/06発売
10位『Memorial』King & Prince 3,967枚(2,440枚) 18/10/10発売
13位『シンデレラガール』King & Prince 2,671枚(1,487枚) 18/05/23発売
15位『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』MISIA 1,961枚(399枚) 18/08/22発売
18位『stereo future』BiSH 1,880枚(487枚) 18/12/05発売
22位『シンクロニシティ』乃木坂46 1,459枚(707枚) 18/04/25発売
24位『ガラスを割れ!』欅坂46 1,140枚(578枚) 18/03/07発売
25位『マリーゴールド』あいみょん 1,118枚(492枚) 18/08/08発売
26位『麻天狼-音韻臨床-』麻天狼(シンジュク・ディビジョン) 1,114枚(988枚) 17/12/06発売
28位『FAKE LOVE/Airplane pt.2』BTS(防弾少年団) 1,079枚(867枚) 18/11/07発売
30位『パプリカ』Foorin 965枚(305枚) 18/08/15発売
この中で、NHK紅白歌合戦で歌唱された曲は7曲(「Lemon」「U.S.A.」「シンデレラガール」「アイノカタチ」「ガラスを割れ!」「マリーゴールド」「パプリカ」)であり、出演したアーティストのシングルに対象を広げると米津玄師『Flamingo/TEENAGE RIOT』、King & Prince『Memorial』、乃木坂46『シンクロニシティ』が加わり10タイトルとなる。また、乃木坂46「シンクロニシティ」は日本レコード大賞を受賞し、BiSHも日本レコード大賞に出演している。
この中で16,863枚増の『Lemon』は別格であるが、前週比4.9倍のMISIA『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』、前週比3.2倍で米津玄師がプロデュースしたFoorin『パプリカ』、同じく2.3倍のあいみょん『マリーゴールド』はインパクトのあるパフォーマンスを放送された事で知名度が一気に上がり、セールに結びついたと予想される。レコード大賞の最優秀新人賞を受賞した辰巳ゆうと『下町純情』は554枚の売り上げであるが、前週と比較すると15倍と大きく販売数を伸ばしている。
これらの結果より今年も年末の音楽番組のシングルセールスに与える影響はとても大きい事が確認できた。そして2018年に我々を楽しましてくれたアーティスト達の2019年の更なる活躍に期待したい。
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