2018/12/30 14:00
2018年も残りわずかとなり、年間の売上ランキングが各所で発表されている。SoundScanJapanのサマリレポートによると映像作品の金額ベースの年間売上は12月24日時点で(集計期間:2018年1月1日~12月24日)既に前年実績を超えており、特に音楽ビデオの伸びが顕著だ。ではどの作品が売れているのか、SoundScanJapanの年間ジャンル別ヒットチャートで、音楽ビデオのTOP10を最終週(2018年12月24日~12月30日)の売上集計を待たずに調査してみた。ここでは単価の影響をなくすため、枚数での比較とする。
グラフ1(グラフ1: http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/71199/2 )に示す通り現時点で最も売上が大きいのは嵐『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』の745,791枚だ。発売初週に65万枚超を売上げたが、その後さらに10万枚近くセールスを伸ばしたことになる。グラフ2(グラフ2: http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/71199/3 )に地域別の売上比率を示す。嵐『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』の売上比率は人口の比率とほぼ同じであり、地域による偏りは見られない。改めて彼らのファン層の幅広さがうかがえる結果となった。
2位、4位、5位、6位には9月に引退した安室奈美恵さんのファイナルツアーを収めた作品がランクインした。これらの作品は、共通して収録されている東京ドームでの最終公演、25周年沖縄ライブに加え、5月に行われた東京ドーム公演、福岡ヤフオクドーム公演、ナゴヤドーム公演、京セラドーム大阪公演がそれぞれ付加されている。グラフ2を見てみると、2位の東京ドーム公演付きの作品は関東、甲信越、北陸、4位の福岡ヤフオクドーム公演付きの作品は九州、中国、というようにそれぞれのご当地と近隣の地域で顕著な売れ行きを見せている。ここで興味深いのは近隣の地域でも、アクセスの良さに影響されていると思われることだ。例えば中国地方の場合は大阪よりも福岡の作品の売上が伸びるが四国は逆であったり、北陸地方の場合は距離的に近い名古屋よりも東京の方が伸びるといった具合である。以前、ライブのタイミングに合わせるように開催地で過去の映像作品の売上が伸びることに言及したが、今回の調査からは自分が観た公演の作品を購入する人が多いのであろうことが読み取れる。
3位Hey! Say! JUMP、7位関ジャニ∞、8位King & Prince、9位Kis-My-Ft2と、ジャニーズのアーティストが多数ランクインした。先輩グループがみな1年の前半に発売しているのに対してKing & Princeは発売からたった2週でここまで売上げていることに驚く。特に7位の関ジャニ∞とはそれほど差がないので、この2週間の売上状況を鑑みると最終週の集計が終わった時点では順位が入れ替わることも十分考えられる。彼らに共通して言えることだが年末の音楽特番出演や紅白出場など、年末年始は新たなファンを獲得するチャンスもたくさんある。順位の変動に留まらず今後の動向に注目したい。
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