2018/12/10
佐藤千亜妃のソロカヴァーライブ【佐藤千亜妃 Special Cover Live VOICE3 ~Luxury Banquet~】が、11月28日ビルボードライブ東京にて開催された。
きのこ帝国のフロントマンとしてヴォーカル、ギター、作詞・作曲を担当する佐藤千亜妃。今年7月には、砂原良徳を共同プロデューサーに迎えた初のソロ作『SickSickSickSick』をリリースし、個人としても表現の幅を広げている。そんな彼女のカヴァー・ライブシリーズ【VOICE】が、この度ビルボードライブにて開催。3回目となる今回のライブでは、自身のルーツとなったカヴァー曲はもちろん、きのこ帝国やソロの楽曲も交えたスペシャルなステージとなった。
オープニングナンバーを飾ったのは、Lily Chou-Chou「飽和」。佐藤のメランコリックな歌声と、今にも消えてしまいそうな優しげなピアノの音色が、白昼夢の世界を創り出していく。「今日は来てくれてありがとう」と軽く挨拶をしながら、【VOICE】では毎回カヴァーされているUAのナンバー「甘い運命」へ。先ほどまでの張りつめた空気とは打って変わり、柔らかなグルーヴで観客をもてなした。
続いては、今年7月にリリースされた最新EPより「太陽に背いて」と、宇多田ヒカル「Automatic」。ビルボードライブのステージにぴったりのクールな曲の連続に、オーディエンスは静かに身体を揺らしていた。
この日のセットリストには、歌の細やかな表情の違いや温度の違いをより感じられるような、ゆったりとしたテンポの曲が多く並んだ。歌謡曲の持つ“わびしさ”を丁寧に表現した松任谷由実「雨の街を」、アコースティックギターとのデュオ編成で語りかけるように歌ったBUMP OF CHICKEN「ベル」、うずくまりながらエモーショナルを炸裂させた椎名林檎「ギブス」など、毛色の異なる楽曲を次々と披露。原曲の良さも自身の持ち味も、どちらも大切にしながら歌い上げていくその姿に、原曲アーティストへの深いリスペクトと、自身の枠を越えていこうとする挑戦心が感じられた。
本編ラストソングは「キスをする」、そしてアンコールには「リナリア」と、自身のソロ曲でこの日のライブは締め括られた。単なるカヴァーライブではなく、一つのショーとして成立していたからこそのエンディング。佐藤千亜妃というヴォーカリストのこれからが、ますます楽しみになるような一夜だった。
Photo:Viola Kam (V'z Twinkle)
Text:Mika Fuchii
◎公演情報
【佐藤千亜妃 Special Cover Live VOICE3 ~Luxury Banquet~】
2018年11月28日(水)
東京・Billboard Live TOKYO
<セットリスト>
01. 飽和 / Lily Chou-Chou
02. 甘い運命 / UA
03. 太陽に背いて
04. Automatic / 宇多田ヒカル
05. 雨の街を / 荒井由実
06. MOON WALK / きのこ帝国
07. ベル / BUMP OF CHICKEN
08. カブトムシ / aiko
09. ギブス / 椎名林檎
10. CROW / 鬼束ちひろ
11. キスをする
en. 1st stage - リナリア / 2nd stage - Summer Gate
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