2018/12/07 04:00
ビルボードの総合ソングチャート【JAPAN HOT 100】と、総合アルバムチャート【Hot Albums】を合算したアーティストランキングでは、米津玄師がダウンロード、ルックアップで1位となり、【TOP Artist】で1位を獲得した。
2018年の【TOP Artist】において、米津玄師はダウンロードで、2位のTWICEはストリーミングで1位となり、2017年はフィジカルとデジタルに揺れるJ-POPシーンがそのまま反映されたランキングだったが、今年は完全にデジタル領域でのシェア争いがランキングに大きく影響する展開となった。例えばダウンロードで100位圏外、またはランク無しのアーティストは、AKB48、嵐、NEWS、Hey!Say!JUMPの4組、ストリーミングではback number、嵐、WANIMA、NEWS、Hey!Say!JUMPの5組、動画では嵐、NEWS、Hey!Say!JUMPの3組となっている。つまり、デジタル領域でのプレゼンスが上がれば上位に食い込む可能性があがるというわけだ。
ダウンロードとストリーミング以外にデジタル領域で重要な指標となるのは動画再生だ。同指標では、1位TWICE、2位米津玄師、3位BTS(防弾少年団)となり、楽曲を使用した動画再生数の総合計は、TWICEが7億5千万回、米津玄師6億5千万回、BTS3億7千万回に。動画でのヒットが大きく合計ポイントを押し上げたことがよく分かる結果だ。一方、フィジカル領域だが見逃せないのがPCでのCD読取回数を示すルックアップで、こちらは1位米津玄師、2位嵐、3位安室奈美恵という結果となっている。デジタル領域でポイントを重ねつつ、フィジカルでも手堅くポイントを積み上げていくべきなのは、2017年と変わらない状況だが、その比重はデジタルのほうが結果的により高くなった、というのが2018年のJ-POPシーンだろう。
そのなかでも特に目立つのが、総合16位のあいみょんだ。今年の夏フェスを契機に頭角を現し、秋以降に大きくシェアを広げたアーティストで、各指標のうち最もポイントを上げたのがストリーミングとラジオの5位で、フィジカル・セールスは100位圏外、動画再生では19位に留まっている。昨今のパターンであるTwitterや動画でポイントを伸ばすのではなく、ストリーミングでのポイントが総合順位を押し上げていることをみると、ストリーミングからヒットを生み出せるアーティストとして最右翼にいるのがあいみょんだと言えるのではないだろうか。そして、大きく広がりつつあるストリーミング・マーケットからポップ・アップするアーティストはこれからも出てくるに違いないだろう。そして、2018年夏では、音楽フェスで注目されたアーティストがストリーミングを伸ばすことが目立っていて、ストリーミングと音楽フェスとの親和性の高さがうかがえるとともに、ライブでの注目→ストリーミング増→ヒットの新たなサイクルの萌芽が定着するか、こちらも次年度以降注目すべきポイントと言える。
◎Billboard JAPAN年間チャート集計期間
2017年11月27日(月)~2018年11月25日(日)
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