2018/11/11
11月12日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、米津玄師『Flamingo/TEENAGE RIOT』が240,077枚を売り上げ首位を獲得した(集計期間2018年10月29日~2018年11月4日)。
米津玄師『Flamingo/TEENAGE RIOT』は、前作『Lemon』以来およそ7か月半ぶりとなる9枚目のシングルで、「Flamingo」はソニーのワイヤレスイヤホンのCMに、「TEENAGE RIOT」はマンダムの「GATSBY」のCMにそれぞれ起用された両A面シングルである。
『Flamingo/TEENAGE RIOT』は意外にも米津玄師のシングル作品としては初の週間セールスランキング1位となる。前作『Lemon』がロング・ヒットを継続している中でのリリースで、本作が1位を獲得しているだけでなく、『Lemon』も『Flamingo/TEENAGE RIOT』のリリースに合わせて販売枚数を増やしている。ここでは直近4年間にリリースされた米津玄師のシングルについて、過去作がどのように売れてきたかをSoundScanJapanのセールスデータを元に検証してみる。まず、各作品の初週の販売枚数は下記の通りである。(カッコ内は累計販売枚数)
2015/01/14発売 『Flowerwall』 16,758枚 (33,696枚)
2015/09/02発売 『アンビリーバーズ』 27,544枚 (40,882枚)
2016/09/28発売 『LOSER/ナンバーナイン』 48,578枚 (72,919枚)
2017/02/15発売 『orion』 33,595枚 (62,676枚)
2017/06/21発売 『ピースサイン』 60,810枚 (84,395枚)
2018/03/14発売 『Lemon』 205,381枚 (388,134枚)
2018/10/31発売 『Flamingo/TEENAGE RIOT』 240,077枚 (240,077枚)
ほとんどの作品が前作を超える販売枚数となっており、今作『Flamingo/TEENAGE RIOT』も、累計38万超のヒットとなっている前作『Lemon』の初週販売数を越える初週の販売枚数となっている。
また、初週を含め4週目までの販売枚数をグラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/69607/2)である。これよりわかる事は、『Lemon』が他の作品よりもずば抜けて高い販売枚数を推移している点と、『Flamingo/TEENAGE RIOT』が『Lemon』より更に高い販売枚数を示している事である。
そして、発売から約1か月経過した5週目の販売数は下記の通りである。(カッコ内は初週に対する5週目の比率)
『Flowerwall』 935枚(5.6%)
『アンビリーバーズ』 452枚(1.6%)
『LOSER/ナンバーナイン』 1,046枚(2.2%)
『orion』 1,024枚(3.0%)
『ピースサイン』 1,047枚(1.7%)
『Lemon』 7,323枚(3.6%)
今週計測されたリリース5週目の全シングルの販売枚数と、そのシングルがリリースされた週の販売枚数比率は1.6%であり、それと比較すると『アンビリーバーズ』と『ピースサイン』以外は2%を越し、米津玄師のシングルは一般的なシングルよりも長く売れる傾向にあることがみてとれる。
更に長い期間に目を向け、5週目から34週目の販売枚数をグラフ化したのが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/69607/3)である。ここで、『Lemon』以外のタイトルは10週を過ぎたあたりにだいたい500枚以下になり25週を過ぎるとほぼ200枚を割り込む。これも他の一般的なアーティストと比較すると十分長く売れており『orion』や『LOSER/ナンバーナイン』は15週以降に500枚以上販売を記録した事もある。しかし『Lemon』については、5週目以降は次元の違う推移を示している。26週目までは大雑把には下降傾向にあるのだが、だいたい2,000枚から7,000枚の間を上下し2,000枚を割った事は1度しかない。更に27週目からは逆に上昇傾向に転じ、次回作である『Flamingo/TEENAGE RIOT』の発売週である34週目には6,703枚を売り上げている。
これらを踏まえて、『Flamingo/TEENAGE RIOT』の発売が『Lemon』の販売枚数にどう影響するのか、また、今後『Flamingo/TEENAGE RIOT』がどのように販売枚数を伸ばし、『Lemon』のようなロング・ヒットになるのか注視したい。
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