2018/10/17
全英で大ヒットした「The Look Of Love」で知られる、イギリスのニューロマンティック系アーティストABCの来日ツアーが10月16日ビルボードライブ大阪よりスタートした。
80年代初頭ポピュラー・ミュージックの流行は、ポップでキャッチーなメロディーのダンス・ビートで次々にヒット曲が誕生していた。そんな中、ABCの存在は一際輝き、デビュー・アルバム『The Lexicon of Love』をリリースすれば、全英チャートで初登場1位をマーク。その勢いはここ日本にも影響を与え、ディスコで連日流されるほどの大ヒットとなった。その後の積極的な活動は、世界的ヒットには結びつかず、1991年活動休止を余儀なくされた。しかし1997年、長い沈黙を破ってカムバック。マーティン・フライのソロ・プロジェクトとして復活した第一弾アルバム『Skyscraping』は当時のABCそのもの。2016年、約33年ぶりの来日公演はニュー・ロマ・ファンの間で話題沸騰。そこから2年9か月という月日が流れ、現在60歳のマーティン・フライが帰ってきたのだ。
ライブ当日、フォーマルなスーツに身を包んだメンバーに続き、スポットライトを浴びてマーティン・フライが登場した。オープニングに選んだのは、「Viva Love」。『The Lexicon Of Love Ⅱ』ではストリングスのイメージの強い楽曲達もバンド感溢れるエネルギッシュなアレンジで展開。初期の作品から最新作までを織り交ぜたセットリスト。あの頃を取り戻す、いや、それ以上の輝きを放つ彼の姿に、オーディエンスは釘付けだった。
ニューロマンティックを象徴するキャッチーなシンセ・ポップは自然と心が躍る。まさに大人の為のダンス・ミュージックだ。さらには、ニューロマンティックの域を超えたエキゾチックなナンバーを放ったかと思えば、マーティンの甘い歌声と哀愁漂うメロディ、ゴージャスなサウンド・アレンジ。観ている私たちを飽きさせない。
ライブが進むにつれて、初期のドリーミーなアップテンポが続き、バブリーさ漂うあの頃の懐かしい思いがこみ上げてくる。途中、ギターのマット・バッカーに語らう和やかな雰囲気は良い意味で現実に引き戻され、ハイセンスな世界観にどっぷりと浸かった余韻で、オーディエンスと共にラストまで駆け抜けた。
何故だろう。全16曲をほぼぶっ通しで歌い上げた彼の顔から疲労だけでなく年齢も感じない。あのスマートな佇まいにはプロ根性を感じるし、女性ファンもイチコロなのも納得。
アンコールで応えたのは、もちろんあの名曲。親密でラグジュアリーなこの空間は総立ちに。ABCは明日(18日)からビルボードライブ東京での公演が予定されている。煌びやかなニューロマ・サウンドに身をゆだねてみては。
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【ABC】
ビルボードライブ大阪<終了>
2018年10月16日(火)
1st 開場17:30 開演18:30
2nd 開場20:30 開演21:30
ビルボードライブ東京
2018年10月18日(木)-19日(金)
1st 開場17:30 開演19:00
2nd 開場20:45 開演21:30
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