2018/09/18
ドレイクの「イン・マイ・フィーリングズ」が10週目のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
ストリーミング・チャートで3位(週間3,970万視聴)、セールス・チャートで5位(週間21,000ダウンロード)、エアプレイ・チャートでは5位(週間8,400万回)と、主要3チャートいずれも首位を逃しているが、粘り強さをみせ、通算10週目の1位を死守した「イン・マイ・フィーリングズ」。ラップ・チャートでは通算34週目のNo.1に輝き、同チャートとR&B/ヒップホップ・チャートでも10週連続の首位をキープしている。
「イン・マイ・フィーリングズ」が10週目の1位獲得を果たしたことで、2018年では「ゴッズ・プラン」(11週)、「ナイス・フォー・ホワット」(8週)と合わせて、通算29週に首位獲得数を更新したドレイク。この記録は、2004年にアッシャーが打ち出した28週を上回る、歴代単独1位。今年発表されたチャート39週間のうち、29週がドレイクのタイトルだったと考えると偉業だ。
ドレイクがこれまで首位を獲得したタイトルでは、「イン・マイ・フィーリングズ」と「ゴッズ・プラン」、そして2016年に同10週をマークした、「ワン・ダンスfeat.ウィズキッド&カイラ」の3曲が10週を超えている。10週を超える首位獲得曲を3曲以上もつアーティストは、「エンド・オブ・ザ・ロード」(1992年 / 13週)、「アイル・メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(1994年 / 14週)、「ワン・スウィート・デイ」(1996年 / 16週)の同3曲がある、ボーイズIIメンとドレイクの2組のみで、ソロ・アーティストとしてはドレイクが初となる。
また、同じ年に10週以上の首位獲得曲を2曲以上もつアーティストとしては、2009年に「ブン・ブン・パウ」(12週)と「アイ・ガッタ・フィーリング」(14週)で達成したブラック・アイド・ピーズ以来9年振り、2組目の快挙。同じアルバムから10週以上の首位獲得曲を輩出したアルバムは、同2作と、「スムースfeat.ロブ・トーマス」(1999年 / 12週)、「マリア・マリアfeat.ザ・プロダクト・G&B」(2000年 / 10週)の2曲が収録された、サンタナの『スーパーナチュラル』(1999年)の3作のみ。
これで、首位獲得週を通算49週に更新したドレイク。次週11週目の1位を死守することができれば、ボーイIIメン(50週)と並ぶ歴代4位に浮上する。ただ、同曲のポイントがゆるやかに落ちていることと、強豪が押し寄せているため、記録更新も確実とはいえない状況ではある。
いよいよ首位交代かと予想されていたが、マルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」は、エアプレイ・チャートで8週連続の1位(週間1億2,350万回)をマークしたものの、総合では「イン・マイ・フィーリングズ」に及ばず、今週も2位停滞となった。ストリーミング・チャートでは、先週の9位から7位(週間2,830万回)にランクアップしたが、セールス・チャートで3位(週間22,000ダウンロード)にダウンしたことが、伸び悩んだ理由。ドレイクとのポイントは僅差まで迫っていて、ストリーミングがこのまま伸びれば首位の入れ代わりもあり得そうだが、「ガールズ・ライク・ユー」もピークは過ぎたため、何ともいえないところ。
3位もかわらずカーディ・Bの「アイ・ライク・イットfeat.バッド・バニー&J.バルヴィン」、4位には再浮上したポスト・マローンの「ベター・ナウ」、5位にはジュース・ワールドの「ルーシッド・ドリームス」がランクアップし、続いて6位には、カニエ・ウェストとリル・パンプのコラボ曲「アイ・ラブ・イット」が初登場した。カニエ・ウェストにとっては、今年6月に8位をマークした「Yikes」以来3か月ぶり、通算17曲目のTOP10入りで、ラッパーとしては、ドレイク(31曲)、ジェイ・Z(21曲)、リル・ウェイン(20曲)、エミネム(19曲)、リュダクリス(18曲)に次ぐ6番目の記録となる。リル・パンプはブレイク曲「グッチ・ギャング」(最高3位)に続く、自身2曲目のTOP10入り。
「アイ・ラブ・イット」 は、週間4,660視聴を記録して、ストリーミング・チャート初登場1位に輝いた。同チャートでの首位獲得は、カニエにとって「All Mine」(2018年)に続く2曲目、リル・パンプは初の快挙。意外だが、「グッチ・ギャング」の最高位は2位どまりだった。ヒットの要因は、同日に公開されたミュージック・ビデオのチャレンジ動画が拡散したこと。同ビデオで2人が着ているオーバーサイズの服(というか着ぐるみ)を視聴者が真似し、各々のSNSや動画再生サイトでアップされている。これは、「イン・マイ・フィーリングズ」のダンス・チャレンジ動画がブレイクしたのと同じ傾向で、一般人がネタにしやすいことや、「SNS映え」することが、昨今のヒットに繋がる傾向といえる。同ビデオは、公開1週間で1億視聴を突破していて、次週もランクアップが期待できるかもしれない。
シックスナインの「FEFE feat.ニッキー・ミナージュ&マーダ・ビーツ」は、先週の4位から7位にダウンし、トラヴィス・スコットの「シッコ・モード」は9位から8位に浮上。タイガとオフセットのコラボ・ソング「テイスト」は10位から9位、カリード&ノーマニ・コーディの「ラブ・ライズ」も11位から10位に、それぞれワンランクアップしている。先週は、エミネムの新作が初登場したため、収録曲の登場により一時ダウンしたが、安定したポイントを維持している曲は、TOP10以下でもそれぞれランクアップしている。これも、昨今のチャート・アクションでよくみられる傾向だ。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、9月22日予定となります。
◎【Hot100】トップ10
1位「イン・マイ・フィーリングズ」ドレイク
2位「ガールズ・ライク・ユー」マルーン5 feat.カーディ・B
3位「アイ・ライク・イット」カーディ・B feat. J.バルヴィン&バッド・バニー
4位「ベター・ナウ」ポスト・マローン
5位「ルーシッド・ドリームズ」ジュース・ワールド
6位「アイ・ラブ・イット」カニエ・ウェスト&リル・パンプ
7位「FEFE」6ix9ine(シックスナイン)feat.ニッキー・ミナージュ&マーダ・ビーツ
8位「シッコ・モード」トラヴィス・スコット
9位「テイスト」タイガfeat.オフセット
10位「ラブ・ライズ」カリード&ノーマニ・コーディ
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