2012/08/27
兵庫県は西宮市からやってきた4人組のハードコアブルースバンド KING BROTHERSが、8月22日に自主企画イベントで【喧嘩記念日】の代官山UNIT公演を開催。“喧嘩相手”の髭と共に会場を暴れ回る衝撃的なアクトを披露した。
5月中旬より9mm Parabellum BulletやSTRAIGHTENER、THE BAWDIESにあらかじめ決められた恋人たちへと、強烈な面々を迎えて各地で繰り広げられてきたこのイベント。しかし、この日の相手に選ばれた髭は、特に近年は笑顔に包まれるハッピーなアクトが印象的なバンドだ。喧嘩的なアプローチはどちらかといえば似合わない人たちだろう。
案の定、彼ら6人はジャクソン・シスターズ「ミラクルズ」をバックに踊りながら登場すると、牧歌的なギターフレーズが気持ち良いミドルチューン「Good Feelin」よりライブをスタート。セットリストにはサイケな色合いが強い楽曲も含まれていたし、MCでは“髭です! 今日は喧嘩しに来ました!”と言い放った須藤寿(vo,g)だったが、その表情はゴキゲンな笑顔でやっぱり終始楽しそうだった。
“喧嘩記念日ー! 鼻ヘシ折るぞー!”。そういう意味では、主催者のKING BROTHERSは登場から主旨通り(?)の佇まいだ。マーヤ(g)のダイブから始まった彼らのアクトは、演奏も歌もMCもステージングも、いつもながら全てがとにかく激しい。
“こないだ某ロックフェスに出たんですけど……”と始めたケイゾウ(vo,g)は、ロックな奴なんか誰もいなかったと一言。“お前らのせいちゃうんか?”と観客を睨みつけると、“世界中のロックンロールと喧嘩しましょう!”とスピーカーの上から観客の頭の上まで、会場全てをステージにして轟音を鳴らし続けた。
そんな両者に事件が起きたのは、KING BROTHERSが最後の1曲『ルル』を演奏している時だった。彼らはステージ上のドラムをバラして客席に乗り込み、観客たちのど真ん中にセットして演奏する恒例のアクトがあるのだが、ひとり観客の上をクラウドサーフし続けていたマーヤが、スペシャルゲストとして髭の面々を招き入れた。
初めこそニコニコとステージにやってきた彼らだったが、マーヤから“二度とできないことやろうぜ!”と客席に呼ばれた須藤は、そこでキレたのか火が付いたのか。揉みくちゃになりながら客席に飛び込むと、中央のドラムの上に登って雄叫びを上げ始めたのだ。
観客の上を運ばれるように会場を回り続けるマーヤと、その中央でサイケな咆哮を続ける須藤。ステージ上では残った髭の面々が据わった目でそれぞれの楽器を掻きむしり、KING BROTHERSは客席のど真ん中から轟音で応えている。10分以上も続いたその混沌は、近年の髭からは想像もつかないような、そしてマーヤも一瞬驚いた表情を見せたほどの狂気を放っていた。
結局、最後はマーヤと須藤の熱い抱擁で幕を下ろした今回の【喧嘩記念日】。8月26日には“大阪外伝「死闘への旅立ち編」”と題された大阪アメリカ村AVENUE A公演があり、こちらの対戦相手には名古屋のハードコアトリオ NICE VIEWが指名されている。
また、髭の須藤は9月に初のソロアルバム『The Great Escape』を、一方のKING BROTHERSも10月にライブ定番曲や人気曲を再録したニューアルバム『MACH CLUB(マッハクラブ)』をリリースすることが決定している。
photo by susie
◎UNIT 8th Anniversary KING BROTHERS presents
【喧嘩記念日 ~夏の陣「怒り!地獄の果てまで!!編」】
2012/08/22(wed) at 代官山UNIT
セットリスト:
[髭]
01.Good Feelin
02.黒にそめろ
03.髭は赤、ベートーヴェンは黒
04.ロンリーボーイの話
05.Are you ハッピー??
06.テキーラ!テキーラ!
07.虹
08.それではみなさん良い旅を!
09.ロックンロールと五人の囚人
10.ダーティーな世界(Put your head)
[KING BROTHERS]
01.×××××
02.魂を売り飛ばせ!!
03.69
04.マッハクラブ
05.spaceship
06.黒くぬれ!!
07.SONICS
08.メッセージ
09.☆☆☆☆
10.ルル(with 髭)
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