2012/08/23
ビートルズ1967年の傑作映画『マジカル・ミステリー・ツアー』が、映像が修復されDVD/ブルーレイで10月10日に発売されることが決定した。
ビートルズ自身が構想し、脚本、監督を担当した本作は、海辺行きの日帰りバス旅行を描いた夢のような物語。アップル・フィルムはこの度、長年廃盤になっていた傑作映画を完全にリストアし、リミックスされた音声(5.1とステレオ)および特典映像つきで、10月10日(UKは10月8日)にDVDとブルーレイを発売する。また一部の国では史上はじめて映画館で限定上映される予定だ。
『マジカル・ミステリー・ツアー』はDVDとブルーレイ、および10インチ×10インチのスペシャル・ボックスに収められたデラックス・エディションで発売され、デラックス・エディションにはDVDとブルーレイの両方にくわえて、背景情報、写真、制作記録を掲載した60ページの本と、もともとは映画の公開に合わせて1967年にリリースされた、ビートルズの新曲6曲入りのモノラル盤2枚組EPを忠実に復刻したレコードが収録される。
『マジカル・ミステリー・ツアー』のリストア(映像修復)は、高い評価を得た『イエロー・サブマリン』のリストアを受け持ったイーク社のポール・ルータン・ジュニアが監修した。音声のリミックスは、アビイ・ロード・スタジオで、ジャイルズ・マーティンとサム・オーケルが手がけた。
どのパッケージにも、未公開映像を満載した特典映像が収録され、新撮されたポール・マッカートニー、リンゴ・スター、およびその他の出演者やスタッフとのインタヴューのほかに、監督のポールによるオーディオ・コメンタリーを聞くことができる。
1967年9月、ビートルズは撮影クルーを友人たち、家族、そして性格俳優やパフォーマーらの強力な共演陣らと一緒にバスに乗せ、ロンドンからA30道路を西に向かいながら、3本目の映画を撮影した。今回、映画を構想し、監督したのはビートルズ自身だった。
「ポールが“ねえ、こんなアイデアがあるんだけど”といってきて、ぼくらも“いいじゃん!”となった。アイデアといっても丸を描いて、てっぺんに点を打っただけ。そこからぼくらはスタートしたんだ」とリンゴは説明する。「あれは、“紳士淑女のみなさん、これからご覧に入れるのはわれわれの想像力の産物ですが、正直に申し上げまして、現時点では非常に冴えわたっております”といえるようなシロモノじゃなかった」とポールはいう。映画は成り行き任せで進み、そのなかで6曲の新曲が披露された。「マジカル・ミステリー・ツアー」、「フール・オン・ザ・ヒル」、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、「フライング」、「ブルー・ジェイ・ウェイ」そして「ユア・マザー・シュッド・ノウ」である。
53分の映画は美しいカラーで撮影されたが、イギリスのTVでは白黒で放映された。ボクシング・デイ(12月26日)の午後8時35分にBBC1で放送された映画は、すぐさま激しい論争の的となり、イギリスの中産階級や体制派のメディアは怒りを噴出させた。「なぜこんな真似を?」と彼らは叫んだ。「連中は映画監督じゃない! いったい何様のつもりなんだ?」と彼らは吠えた。『HELP!』と『ハード・デイズ・ナイト』の4人の愛すべきモップ頭は、どこに行ってしまったんだ? このビートルズは常軌を逸している!
こうした拒否反応も一因となって、この映画は一度もアメリカでは放映されず、それ以外の国々でも公開は限定的だった(日本は1968年9月28日に日本武道館に於いて1日限りの特別公開が行われた)。
この度、アップル・フィルムとEMIは世界中の映画館に音楽イベントをディストリビュートしているオムニヴァース・ヴィジョンと手を組み、史上はじめて『マジカル・ミステリー・ツアー』を巨大なスクリーンで独占的に上映する運びとなった。上映は9月27日から、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イタリア、日本、そして世界中のさまざまな国で、厳選された映画館でおこなわれる予定だ。
なお、EMIミュージック・ジャパンのビートルズ・レーベル・サイト(http://emij.jp/beatles/)では海外YouTubeにて公開された紹介映像「Roll up! Roll up! The Beatles invite you to make a reservation for the Magical Mystery Tour!」が現在公開されている。
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