2018/08/13
デフガレージのテントにひしめく人、ステージに立つメンバーの姿をよく見ることはできないが、音だけでも体感したいとテントを取り囲むように集まっていた人々。今、多くのロックリスナーたちが、どれほどまでに注目し期待してるのかがよくわかる、そんなCHAIの初ライジングサンのライブレポートが到着した。
とても華奢な体つきからは考えられないほど、ぶっとい音を鳴らすユウキのベースに導かれるように始まった「Sound & Stomach」でライブはスタート。ポップでファニーなサウンドでもって、まずオーディエンスを揺らしたあと、「今日は来てくれてありがとう! 楽しんでいってね」というヴォーカル&キーボードのマナの言葉に続いて、彼女とは双子の姉妹であるカナがギターをかき鳴らし「ボーイズ・セコ・メン」へ。双子ゆえに同じ周波数で聴こえているからなのだろうか。マナとカナがユニゾンして唄うメロディに心地よくなっていると、後半にかけてギアをあげていく4人の演奏に横っ面を叩かれるような気分に。もうこの時点で、多くの蝦夷ロッカーズの心と耳を掴んでいたのであった。
マナとカナのアカペラから始まり、ユウキとドラムのユナもコーラスに加わって、Abbaの名曲「ダンシング・クイーン」のメロディを引用しながら行われた自己紹介のあと、〈コンプレックスはアートなり〉というCHAIの基本精神を歌った「N.E.O.」で、デフガレージの熱気は一気に上昇していく。ユナが叩き出す頼もしくシュアなビートと、彼女たちのセンスが光りまくるサウンドによって、気づけばCHAIの音楽にすっかり身体を委ねてしまう。ユウキがシンベを操り、カナがギターを抱えながらシンセを鳴らすなか、マナがハンドマイクでフロアを煽っていく「フライド」では、自由な感性をもった超個性的なメンバーの雰囲気につい忘れがちになる、4人のプレイヤビリティの高さ、というものを改めて思い知らされる。
そして、〈See you バイバイ/good night tonight/good night sweet dreams〉というフレーズが、この日デフガレージに集まった多くの蝦夷ロッカーズへのメッセージのようにも感じた「sayonara complex」をラストにプレイ。
本当にあっという間に感じた、CHAIの初ライジングサンでのパフォーマンス。もっとたっぷりと、そしてもっと大きなステージに立つ4人を見てみたい。ここにいた誰もがそう思ったと同時に、そんな未来が近いうちに蝦夷の地で見られることを確信した、そんなライブであった。
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO】は1990年からスタートし、今年で20回目。全ての入場券がソールドアウトとなり、計74,000人が入場した。なお、【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO】は2019年8月16日、17日に開催される。
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