2018/08/04
6月にリリースされた宇多田ヒカルのニュー・アルバム『初恋』が絶好調だ。今週のHot Albumsでは、5週目でありながらも、いまだに2位をキープしている(【表1】)。7/9付で初登場1位は当然とはいえ、3週連続で首位という快挙。4週目の先週には4位に落ち込んだが、今週再び上昇したということは、まだまだ上位に居座ることができる可能性が非常に高いという証明でもある。
その根拠のひとつには、ルックアップ(CDのPCでの読み取り数)の圧倒的な強さが挙げられる(オレンジのグラフ)。なんと5週連続1位となっており、セールスだけでなく、レンタルでも相当数回転していることがよくわかる。長くレンタルされる作品は、ロングセールスになりやすい。それだけ、グレーユーザーにも本作の魅力が拡大しているのだ。
今後このまま売れ続けるかどうかは、大ヒットした2016年の前作『Fantome』の動きを見れば、予測できるのではないだろうか(【表2】)。この時も、セールスポイントは4週連続1位で、4ヶ月近くベスト10に入っていた(紫のグラフ)。しかし、ルックアップに関していえば、約7ヶ月半もベスト10にとどまっていたのだ(オレンジのグラフ)。そして、その後もセールス的には圏外になったとしても、ルックアップはこの2年近くで、50位を割ったことはない。とにかく、長く聴き続けられているのである。
『初恋』も『Fantome』同様、話題性も内容的にも申し分なく、甲乙つけがたい。もちろん、彼女の今後の活動などによってチャートは左右されるだろうが、ルックアップに関しては長く上位に居座り続ける可能性が高い。よって、ロングセールスになるのは必然なのだ。Text:栗本斉
※『Fantome』の「o」の正式表記はサーカムフレックス付き
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