2018/07/28
今週のHot100では、KEN☆Tackeyの「逆転ラバーズ」が圧倒的な強さを見せて首位を獲得した(【表1】)。V6の三宅健とタッキー&翼の滝沢秀明の組み合わせによるユニットのデビュー曲であり、グループ名と同じケンタッキーフライドチキンのCMソングということも手伝って話題性は高く、チャート上位は当然といえば当然。セールスポイントはもちろん、ツイッターのつぶやき数(水色のグラフ)やラジオのオンエア回数(緑のグラフ)も急上昇している。
ここで注目したいのは、ルックアップ(CDのPC読み取り回数)だ。グラフでは隠れて見えないが、こちらもダントツの1位となっている。実際に、自分でPCで読み取ったり友人との貸し借りする以外にも、レンタルでの回数も反映されるため、CDを買うコアファンだけでなく、グレー層の動きも加算される。このポイントが高くなるには、フィジカルのCDの流通が必須だし、ジャニーズなどのアイドルは、配信よりもパッケージ商品に力を入れるため、おのずとこのポイントは高くなる傾向がある。逆に、配信に力を入れているアーティストは、ポイントが低くなることが多い。米津玄師のような例外はあるが、ルックアップの上位は、アイドル系が占めていることが多い。
今週もルックアップだけを見れば、2位にKing & Prince、4位にKis-My-Ft2、9位にNEWSと、ジャニーズが4曲もベスト10に入っている。しかも、KEN☆Tackey以外は総合ではベスト10圏外だ。例えば、Kis-My-Ft2の「L.O.V.E.」は、総合では先週の首位から今週は12位にまでランクダウンした(【表2】)。セールスポイントも22位まで下降しているが、ルックアップは前述の通り4位にとどまっている。これも、初動で購入するコアファンの動きはすでに落ち着き、歌番組などの影響でグレー層によるレンタルが継続しているということがわかる。
そう考えると、配信や動画でポイントを稼ぐのが難しいジャニーズのようなアイドルにとっては、レンタルは重要なファクターのひとつ。彼らにとっては、このバランスをどう操るかがチャート戦略の鍵になりそうだ。Text:栗本斉
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