2018/07/23 18:00
米ビルボード・ソング・チャート5位/全英7位をマークした大ヒット曲「ザ・ミドル」に続く、ゼッドの2018年第二弾シングル「ハッピー・ナウ」。この曲は、今年7月3日に米ロサンゼルス州立歴史公園で開催された【Zedd In The Park】で初披露され、13日に夏っぽいパステルカラーのカバー・アートを発表。そして翌週の20日にリリースされた。
前曲「ザ・ミドル」は、カントリー・シンガーのマレン・モリスがフィーチャーされていたが、新曲「ハッピー・ナウ」には、エリー・ドゥエという女性シンガーが起用されている。エリー・ドゥエは、米アラバマ州モビール出身の25歳。ミュージシャンの父親に影響を受け、自身も10代の頃からカフェやバーで演奏したり、曲作りに励んだという。
2016年10月にリリースした「ミレニアム」が、ストリーミング・サービス<Spotify>で140万回視聴を記録し、同年12月のシングル「イモータル」は、YouTubeで120万回、Spotifyで500万を超えるストリーミングを獲得。クール&ドレーがプロデュースした次曲「フライ」(2017年)は、ミュージック・ビデオも公開され、彼女の美しいビジュアルも話題となった。
そんなエリー・ドゥエの個性的な声質と、哀愁漂わす絶妙なボーカル・ワークが、曲の持ち味を引き出している。というのもこの曲、「ハッピー・ナウ」というタイトルは疑問形であって、「あなたは今、幸せなの?」と問いかける、どちらかというとアンハッピーな内容だからだ。「あなたは前に進む、私から去って行って……」と、別れた相手が今、どういう心境なのかという想いを綴っている、「未練と失恋の歌」ともとれる。
当初は「アー・ユー・ハッピー・ナウ?」というタイトルで、ボーカルもノルウェーの女性シンガー=シグリッドが担当する予定だったそうだが、制作を進めていくうちに、タイトルもボーカルも、ヒネりを入れた方が良いとアレンジしたのかもしれない。たしかに、良い意味で裏切られた感はある。
サウンドも、アコースティック・ギターのイントロやマリンバの音色、ゼッドお得意のノスタルジックなエフェクト効果など、メランコリック。ゼッド曰く「メロディはハッピーな感じ」とのことだが、旋律もどこか切ない。これまでの作品の中では「最もオーガニックな曲」だそうで、シンセではなく、曲の大部分は実際の楽器を使って演奏されている。初期の大ヒット曲「クラリティ」(2012年)や「ステイ・ザ・ナイト」(2013年)のような典型的なEDMとは、まったく違うタイプの意欲作だ。
制作陣には、ケイティ・ペリーやカミラ・カベロなどの人気シンガーを手掛ける、スウェーデンの女性シンガー・ソングライター=ヌーニー・バオと、「ザ・ミドル」やアレッシア・カーラをフィーチャーした「ステイ」(2017年/全米7位)の制作にも参加した、オーストラリアの女性ソングライター=サラ・アーロンズがクレジットされている。繊細なメロディ~サウンドは、女性アーティストたちの業にもあった。
ゼッドは、全米ビルボード・ダンス・アルバム・チャートでNo.1をマークした2ndアルバム『トゥルー・カラーズ』(2015年)からアルバムをリリースしていない。新曲 「ハッピー・ナウ」や、前2曲が収録される予定の新作は、今年中にリリースされるのか?現在のところ、何のアナウンスもされていない。
Text: 本家 一成
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