2018/07/04
季節が変わると、身体が欲する音楽がある。夏になるとカラパナが聴きたくなる。そんな人も多いのではないだろうか。今年結成45周年を迎える元祖サーフ・ロックバンド、カラパナが、来日公演を開催中だ。
1975年にアルバム『Kalapana』(邦題:「ワイキキの青い空」)でデビュー、「ナイトバード」や不朽の名作「愛しのジュリエット(Juliette)」が大ヒット。2013年には、結成40周年を迎えたカラパナ。今回の来日は、マラニ・ビリュー (Vo)、ディージェー・プラット(Gt)、ゲイロード・ホロマリア (Key) 、ケンジ・サノ(Ba)という現在のメンバーに加え、ジョニー・ヴァレンタイン (Gt,Vo)、トッド・ユクモト (Sax)、ギャリン・ポリアフ (Dr)という近年ではお馴染みのメンバーでの来日だ。
「ヘイ、ミナサンコンバンハー! Are you ready for real serious Hawaiian surf rock music?」そんな陽気MCを経て、オープニングから彼らの代名詞とも言えるナンバーが登場。大きな歓声と拍手の中、ショウが幕を開ける。雄大で力強く、それでいて最高にクールなバンドサウンド。波に揺られるように、身体を揺らしながら、アルコールを傾けながら、音に身を任せるオーディエンス。それぞれのキャリアに裏付けされた確かなパフォーマンス、美しいハーモニー。彼らにしか生み出せない極上のサーフ・ロックサウンドに、会場が魅了されていく。
時折悪戯っぽい顔を浮かべつつ、まるで少年のような笑みを浮かべてプレイするメンバー。彼らが音楽を、ハワイを、そしてカラパナというバンドを愛しているのが、全身から伝わって来る。そんな最高にピースフルで、愛に満ちたパフォーマンスも、彼らが長きに渡って音楽ファンに支持され続けている要因ではないだろうか。
曲を重ねるごとに、次第に濃密さを増していくステージ。目を閉じれば瞼の裏に広がるのは、雄大な海のイメージ。グルーヴの波が五感を刺激し、脳裏に鮮やかな風景を描いていく。繰り出される名曲の数々に、抱くイメージはそれぞれ違ったものだったかもしれない。しかしこの日、この瞬間、このステージを共有することで、イメージは感動へと昇華され、新たに心に刻まれていったのではないだろうか。
終盤、ベーシストのケンジ・サノは関西出身ということもあり、この日は日本語で「何が楽しみって、こうやって関西弁をしゃべれること!」とMCを行う場面も。(普段は余り日本語でMCはしないようである)。世界的に活躍するベーシストの茶目っ気溢れる一面に、会場中からドッと歓声が沸き起こった。
カラパナはこの後、7月4日・5日の2日間はビルボードライブ東京で公演を開催する。スッキリしない天候が続くこの季節、爽やかなハワイの風をぜひ体感して欲しい。
Photo by Kenju Uyama
Text by 杉本ゆかり
◎公演情報
【カラパナ】
ビルボードライブ大阪
2018年7月3日(火)※終了
ビルボードライブ東京
2018年7月4日(水)-5日(木)
1st Stage Open 17:30 Start 19:00
2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像