2018/06/23
ご存知の通り、ビルボードチャートは様々な要素でその順位が決まる。昔のように単にCDの売上枚数を単純計算するわけではないので、宣伝戦略なども非常にタイミングが難しくなっている。売上だけでも、フィジカルのCD、ダウンロード、ストリーミングとそれぞれ特色がある。レンタルの回転が増えればルックアップ(PCでのCD読み取り回数)のポイントも高くなるし、話題性が高ければツイッターが急上昇する。ラジオでのオンエアや動画再生数も含めると、それぞれが複雑に絡み合ってチャートの勝敗が決まるのだ。
今週3位にチャートインしたGENERATIONS from EXILE TRIBEの「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」(【表1】)の動きを見てみると、チャート構成の複雑さがよくわかる。最初のアクションはツイッターだ(水色のグラフ)。4/30付で28位だが変動が激しく、先週の6/18付で19位と再浮上するが、今週は急落して88位となっている。次に動きがあったのが動画再生数で5/21付で11位(赤のグラフ)。こちらも徐々に下降し、発売週の今週は圏外から59位にまで戻ってきた。
では、それぞれの要素のピークを発売週に合わせればいいのかというと、そんなに単純なものではない。リリースや動画の公開時期を合わせれば、ポイントも高くなったかもしれないが、事前の盛り上がりがなければここまでの上位の結果になっていたかは微妙だ。
同じように、今週10位の藍井エイル「流星」の動きも興味深い(【表2】)。早い段階でツイッターの動きがあるのはGENERATIONSと同様だ(水色のグラフ)。そして、先に配信でのリリースを先行したことで、セールスポイントを5/7付で7位にまでアップさせている(紫のグラフ)。さらには徐々に下降しているタイミングで、フィジカルのリリースがあり、今週は11位にまで再浮上させているのだ。2回ピークを作っているのがグラフからもよくわかる。この曲も配信とフィジカルを集約させていればさらに上位にランクインしていたのかというと、そこはなんとも言えない。
リリースやプロモーションに正解はあるようで無い。特にピークのタイミングは本当に難しいが、そこに複合チャートならではの面白さがあるのだ。Text:栗本斉
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