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2018/05/26

「エンターテイナー」ゼイン(Song Review)

 およそ2年振り、ソロ2作目のスタジオ・アルバムを間もなくリリースすると宣言したゼインが、アルバムから3曲目となるシングル「エンターテイナー」を2018年5月23日にリリース。同日にはこの曲のミュージック・ビデオも公開された。

 このビデオは、昨年9月にリリースしたシーアとのコラボ曲「ダーク・ティル・ドーン・ドーン」、4月12日に発売されたばかりの前シングル「レット・ミー」の続編となる内容で、引き続きモデルのソフィア・ジャモラがヒロイン役として出演している。今作は、ストリップクラブでの絡みやベッドシーンもある、アダルティ且つムーディーな回想シーンが見どころ。ブロンドヘアにチェンジしたゼインも表情豊かに演じていて、役者魂が感じられる。凄い形に整えられた頬の髭が、若干気になるが……。

 タイトルの「エンターテイナー」は自身のことではなく、「君が僕のエンターテイナーだった」という、彼女について歌ったもの。このリリックに乗せた、甘くうっとりとするようなメロウも、ビデオ同様、前2曲を引き継いでいて、3曲続けて聴いてみると、たしかにひとつのストーリーになっている。シングルとしてはパンチが弱い気もするが、BGMとして使われても違和感のない、作品(ビデオ)に溶け込みやすい曲……という意味では、その役割をしっかり果たしているといえる。

 俳優としての実力をメキメキつけてきたゼインだが、この曲ではボーカリストとしての成長も伺わせる。特に、低音の旋律とコーラスのファルセットが重なるフックが素晴らしく、どんな音階でも、どんな曲調でも完璧に、自分色に染め上げられる彼の歌唱力は、アンチとて否定できないだろう。この誰にも真似られない天性の声質が、ゼイン最大の強み。プロデューサーには、前作『マインド・オブ・マイン』にも参加しているエンリケ・アンドラーデというエンジニアがクレジットされている。

 インタビューでは、ワン・ダイレクション時代を振り返り「ミュージシャンとしての経験と知識は、グループで培ったもの。1Dの活動で学んだ多くのことは、ソロ活動に大きな影響を与えている」とコメントしているゼイン。アルバムの制作中にこういった発言があったということは、新作にその理由を明確にさせる“何か”があるのかも……(?)。

 完成間近のニュー・アルバムは、既にタイトルも決まっているとのこと。これまでの作品や、他のアーティストがやらなかったようなことにも挑戦しているという。「ダーク・ティル・ドーン」、「レット・ミー」、そして新曲「エンターテイナー」のシングル3曲から予想するに、R&Bやヒップホップが中心だった前作『マインド・オブ・マイン』とはタイプの違う、アダルト・コンテンポラリー寄りの作品になるのではないだろうか。


Text: 本家 一成

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