2018/05/07
2018年4月25日に宇多田ヒカルプロデュースの1stアルバム『分離派の夏』でメジャーデビューとなった小袋成彬(おぶくろなりあき)が、5月1日 渋谷WWWにてワンマンライブを開催した。
SpotifyやAppleMusicなど各所で注目アーティストとして多く取り上げられている彼だが、今回のライブがメジャー後初の正式なファンを前にしてのワンマン。それもあってか、会場を埋め尽くすこの日集まったオーディエンスの開演を待つ姿も固唾をのんでいるようであった。ライブがスタートするとあっという間の90分、デビュー作『分離派の夏』の楽曲もまた違う作品の景色が見えてくる。その時、頭の中でガラガラと物音が立ち、自分の抱えていた標準が崩れていった。モラルや一般的といった、我々が周囲と築いていった当たり前という概念が崩れていく。眼前で行われているライブにおいて、歌声、表現、演出……様々な視点で小袋成彬を追おうと必死になるが、彼の姿は見えてこない。今までの経験や常識というものが関係ない、つまり対比や評価といった角度で彼を語ることが非実現的なのだろうと感じた。インタビューでも彼は語っていた「個人化してほしい。評論するのは良くないと思う。」、その通りいま一瞬に流れる光景や音を受け入れ、その瞬間で消化していくことがこのときの正しさとして覚えた。彼の歌声が伝達神経を刺激するかのように、そんな思考が反射反応に似た勢いで脳裏を駆け巡っていった。
LINE LIVEでの配信も行われていた本ライブ後、SNSなどに綴られていたコメントにあった「映画を観ていたようだった」。ライブという作品を観た、そのニュアンスにとても近い心境を抱えた方も多かったと思う。ライブ中盤に差し込まれる映像もそれを助長させたのだろうが、スタートから90分後に抱いたいの一番の感情が「もう一度観たい」である。色眼鏡を外し、まっさらの心を持ち、緊張から解き放たれた状態でもう一度。映画や絵画を鑑賞した時の、創造力が押し寄せてくる感覚がこのライブにはあった。その感覚に身を委ね、降り注いでくるイメージに侵食されて小袋成彬のライブを鑑賞したいと感じたオーディエンスは少なくないはずだ。
この日のステージは、カバー曲など含む19曲の歌唱で90分。これ以上の事実はなく、「凄いものをみた」「圧倒的な歌唱力」といった個人的な感想で彩られた。彼のライブを彩ってくのは、彼ではなく個人なのかもしれない。なお、10月には大阪、東京でのワンマンライブ開催が決定している。
◎セットリスト
小袋成彬 ワンマンライブ@2018年5月1日(火)渋谷WWW
01.042616 @London
02.Game
03.茗荷谷にて(extended)
04.Lonely One feat.宇多田ヒカル
05.夏の夢
06.GOODBOY
07.E.Primavesi
08.101117 @El Camino de Santiago(extended)
09.Summer Reminds Me
10.再開
11.門出
12.042616 @London
13.タイトル未定(新曲)
14.Do you realise?? (cover)
15.Daydreaming in Guam(extended)
16.You’ve got a friend(cover)
17.Selfish
18.愛の漸進
19.042616 @London
◎ライブ情報
【小袋成彬 ワンマンライブ 秋】
10月5日(金)@大阪・心斎橋 Music Club JANUS 開場 18:30 / 開演 19:00
10月10日(水)@東京・渋谷WWW X 開場 18:00 / 開演 19:00
オールスタンディング 3,800円(税込)
※ドリンク代別
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがあります
オフィシャル先行:5/2(水)12:00~5/13(日)23:59
https://l-tike.com/st1/obukuro2018
一般発売:2018年6月9日(土)
http://l-tike.com/obukuro
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